tao4 lu4(タォルー) 中国武術における、(空手などの日本武道でいう)「型」のこと。招式あるいは架式と言われる技を連続して繰り出すもので、伝統武術の套路には気功的な意味もあり、近代空手の「型」のように、単体の技を繋げただけの練習とは言い切れない。 伝統的な套路と、競技用に制定された規定套路がある。
太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、伝統的な太極拳を練習しています。練習内容としては、古伝の楊式太極拳と鄭子太極拳になります。 普段練習している套路(型)は、鄭子太極拳の37式の前半部分を抽出した、15式太極拳です。 鄭子太極拳の形態をベースに、古伝楊式太極拳の気功(運氣、内功)を内在させて補完した内容となっています。 下記が、その内容となります。 予備式 1、起勢 2、攬雀尾左 掤 3、攬雀尾右 掤 4、攬雀尾 扌履 5、攬雀尾 擠 6、攬雀尾 按 7、単鞭 8、提手(提手上勢) 9、靠 10、白鶴亮翅 11、左摟膝拗歩 12、手揮琵琶 (左摟膝拗歩) 13、進歩搬欄捶 14、…
推手で勁力をやり取りするとは、気をやり取りする事だ。気とは気持ち良さの事だ。推手では飛ばした人も飛ばされた人も気持ちが良いはずだ。套路も、推手も、站椿功も、気持ち良さを味わえない様なら正しくない。 太極拳が有るレベルに達した人は、手の位置や足の位置や姿勢が正しいかどうかを、他人に聞くべきではない。自分の身体と対話しながら、気持ちの良い姿勢を求めていけば良い。 唯一、他の人に助けて貰えるのは、推手の応用で、推し引きしてもらう事だ。姿勢が正しければ、他の人が推し引きしても、自分の足裏は地面と繋がっていて、筋肉に無駄な緊張が起こらず、気持ち良く対応出来るはずだ。 先日、先生から、このような趣旨のお話…
太極拳には、「推手」と呼ばれる練習法があります。 二人ペアになり、接触させたお互いの手(腕部)を、円形に回し動かすような練習です。 この「推手」の練習には、多くの練習形態があります。 一部の太極拳教室では、この「推手」の練習を、相手を推す練習だととらえている場合があります。 太極拳を、練習し始めた初心者では、相手を推す練習によって、身体を強靭にし、力の方向を明確にするために、このような事をする場合があります。 これは、楊式太極拳の中期以降に、制定された太極拳流派には、「炮捶」という練習法が失伝してしまったためです。 この技術を補うための、苦肉の策として、このような練習法が行われるようになったと…
先日、何となく動画を見ていたらたまたま下記を見つけた。空手の型と中国拳法の套路を横並びで編集してある。 https://www.youtube.com/watch?v=uC9rdW06X2M 那覇手の型はほぼ中国拳法の套路そのままであり、現在の中国にもほぼ同じ型(套路)があるというのはどこかの文献にも書かれていたが、首里手の型については何回も中国へ自費で渡って調査した人でもその原型を捜し出すことはできていない。単に発音だけでどこそこの套路だろうとの解説はされていたが・・。 それに対し、上記動画は首里手の五十四歩、燕飛(ワンシュウ)、セーサン、観空(クーサンクー)が中国拳法の套路と横並びで紹介さ…
ナイハンチ、四方公相君、岩鶴(チントウ)は横(または縦・斜め)一線の型であるが、以前記載した四方公相君の紹介動画の中で、横一線の動作は中国(明)の軍事教練の影響を受けているものとの説があった。 → 古伝の型-四方公相君/Traditional Kata - Shihou-Kusanku - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans (hatenablog.com) 八極拳の小架一路や二路は縦一線であり、それなら他にも横(縦・斜め)一線の套路があるのではないか、それらにナイハンチ・四方公相君・岩鶴に似たもの、繋がるものは無いか、と思って捜してみた。 たまたま、小佐野淳著「図解…
先日、24式太極拳の前半を練習する時、先生が「左右を逆にした動きで練習をしてみましょう」とおっしゃった。 通常、練習をする時は、起勢の後、右手を上にした包掌からスタートして、左方向に上歩→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右手が上/左手が下の白鶴亮翅となる。 これらを、左右逆にして練習してみましょうと言うのだ。 すなわち、起勢の後、左手を上にした包掌からスタートして、右方向に上歩→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左手が上/右手が下の白鶴亮翅→右摟膝拗歩→左摟膝拗歩→右摟膝拗歩→右手が前/左手が右肘横の手揮琵琶へと続けるのだ。 野馬分鬃・摟膝拗歩・倒巻肱・攬雀尾は、左右同じ動きが、套路に組…
3段の1次試験に推手と言うものが有る。2人1組で一定の推手套路をするのが、これまでの試験内容だったが、今年はコロナ禍対策の為、変更になった様だ。 今年は、個々人がエアーで平円/立円/折畳の動き方を示せるかどうかの試験をするとの事。 相手の勁を聴く事も無く、単に動き方を覚えて、エアーでその動きをしても、何にも得るものは無いと思う。 「従来の3段1次試験でやっていた推手套路を覚えたい」と言う人が居たので、3年前に作ったメモを改定し「ご参考になれば」と渡した。 「エアーでやるだけでは物足りない」「従来の套路も覚えたい」と思う人が大勢いた様で、改定したメモのコピーが出回っていた。その人達に役立つなら嬉…
太極拳と一口に行っても、幅があり深さがあります。24式太極拳/総合太極拳/楊式太極拳/呉式太極拳と言うのは幅の話ですが、深さの話は、中々出来ていない様に思いますので、ここに深さ、すなわち「熟練の度合い」について、考えてみました。 ①一人で套路が出来る。②定式で両手両足の位置と重心位置が正しい。③両手両足と重心の移動のルートが正しい。④両手両足と重心の移動を同期させながら動ける⑤筋力に頼らずに放鬆してスムーズに動作が出来る。⑥動作と呼吸が同期してくる。 と言った様な熟練の度合いが、有ると思います。 XX式太極拳で①の段階が出来て、すぐ次の○○太極拳を覚えようとする人は、太極拳の表面的な所しか理解…
最近つくづく推手の練習が足りていないと痛感する。套路だけを練習していると、一旦身につけた動きに何の疑問も持たず、これが正しい身体の使い方だと思ってしまう。 身体の内側で上肢と下肢が繋がった太極拳套路を要求されていても、それが出来ているかどうかは、一人では判定しにくい。判定するには、2人ペアで練習するのが良い。套路をやっている人の腕の動きを、もう一人が少し邪魔した時、その結果で上下肢の繋がりが有るかどうか判定できる。2人の感度が良ければ良い程、判定は楽にできる。 繋がっていない時は、套路をやっている人が、姿勢を崩してしまうが、もし繋がっていれば、邪魔された感じを持たずに套路を続けられるのだ。 身…
套路だけをやっていても上手になれませんよ。推手をしたり、站椿功をしたりして、そこで掴んだものを套路に生かしてください。と先生がよく仰る。 前回の教室では、野馬分鬃の定式の前の手を、他の人に掴んでもらい、その人も連れだってシンクロした状態で、后坐する練習をした。まずは緩む事の練習で、次が緩んだままスルスルと後ろに下がる練習だ。 前の手を掴まれていながら、自由になる事が出来たら、それが本当の緩んだ姿だと先生は仰る。これは10回に1回ぐらいではあるが、そんな感じが出せた気がする。 次に緩んだまま下がる練習だが、下がろうとすると、手と身体の関係が崩れてしまう。手が先行したり、置いてきぼりに成ったりであ…
2023年4月1日から12月3日までに行われたスポーツの国際競技会で活躍した、私が気づいた岩手アスリートの成績まとめです。皆さまの引き続きの応援をお願いします! ■目次 ■カヌー(1名) ■空手道(5名) ■空道(1名) ■サッカー・フットサル(1名) ■自転車(3名) ■射撃(1名) ■柔道(2名) ■スキー・スノーボード(5名) ■スケート(3名) ■スポーツクライミング(3名) ■ソフトテニス(1人) ■ソフトボール(1人) ■体操(2人) ■トライアスロン(1名) ■バスケットボール(2名) ■バドミントン(1名) ■バトントワーリング(1名) ■ハンドボール(4名) ■フェンシング(…
昨日も通常どおり、 午前中に太極拳の練習を行なった。 套路を逆方向に行なう練習をした。 太極拳は左右対称ではないので、 こういう練習で身体のバランスをとる。 午後からは空手の稽古。 「ピンアン5段」の動きを学ぶ。 また「普及型1」の分解も学んだ。 これは初めて習う対人練習なので、 順序を学ぶのは中々難しい。 先生の方針も少し変わり、 どんどん学べることを学び、 対人練習にも慣れさせようとされている。 その後は棒術の稽古。 「周氏の棍」という型をやっている。 今まで「周氏の棍・小」を学んでいたが、 昨日は「周氏の棍・大」も教わった。 技が一部変わるだけなので、 さほど難しくはない。 昨日も充実し…
2023年4月1日から11月26日までの大会などで日本一になった、私が気づいた、岩手アスリートのご紹介です。下の競技名目次(五十音順です)をタップして、アスリートの活躍をご覧ください。私の基準で(これ、日本一だよな…)と思ったアスリートをあげていますが、もれ、ぬけなどありそうですので、お知らせいただければ幸いです。 ★昨シーズン(2022/4-2023/3)の日本一岩手アスリートは、 この下線部をタップすると 見られます。 【目次】 ■ウエイトリフティング(3名) ■オートバイ(2名) ■カヌー(2名) ■グラウンド・ゴルフ(1チーム) ■ゴルフ(1名) ■サッカー(1チーム・1名) ■自転車…
本文は于永年が口述し王和新が整理した 一、往事堪怀 私と王薌齋老師との交流は二十年近くに及び、彼の倦むことのない指導と、厳しい学問への精神にはいつも感嘆していた。薌齋老人の温和な顔つき、落ち着いた様子、純粋で堅実な功夫は今でも私の頭の中で響いている。薌齋老師との出会いを思い返すと、拳術の学びや探求の中には、老師の教えが溶け込んでいて、先生が急な別れを告げて以降、永遠の別れとなった。今、静かに思い出しながら、この拙文を書くことで、先生への懐かしさを表現し、言葉で尽くせない思いを読者にご理解いただきたい。 1942年のことである。私は河北省石家庄の道立医院で働いており、地元の高老師と形意拳と太極拳…
楊鴻晨は石家庄から北京へ来てからすでにしばらく経っており、よく病院へ二姑を見舞いに行っている。彼は性格が率直で、人柄が厚く、非常に情に厚く、感情を重んじる人物である。私と彼は共に河北省藁城市の出身で、本当の意味での郷土の友人である。私たちは多年の知り合いで、郷土の特別な関係や志趣の一致、性格の類似により、いつも楽しく会話し、頻繁に交流している。今回北京に来た彼を、もちろん地主の礼を尽くし、山東から来た王成師兄と一緒に簡単な宴会を開くことにした。もちろん、私の師兄の王興玉、そして私の学生の刘宏武、蔡志光も一緒に同席することになった! 3月4日午後5時、我々六人は北京中医院で二姑の王玉芳を訪問した…
「螺旋」パワーを求めて中国大陸をゆく! 登場する先生 藏志剛 李見宇 張鴻駿 王永祥 (西松正彦) 内容 藏志剛老師 李見宇老師 印象に残った言葉 形意拳は五行拳と站樁だけで良いのだ。そして、最終的にはいかなる門派でも一撃である。形式(型)ではないのだ(藏志剛) 武術は打てなければ意味がない。この技はどう使うのか? という問題ではない。用法の解説など必要ないのだ。また、モノを打ったり鍛えたりという練功とも別だ。相手はいつどこを打ってくるのか分からないのだから。だから「一下 (※一撃)=発力」があるだけだ(藏志剛) 拳術は陰陽に尽きる。一拳一脚ではない、また套路でもない。拳術だからといって、自分…
注:この文章は王選傑先生が生前、いくつかの新聞記者との一部の質疑応答の記録であり、王選傑著『大成拳実作絶技』(奥林匹克出版社、1990年7月版)および『法要集成』(北京体育学院出版社、1992年11月第1版)に掲載されたものです。ここではそれに基づいて校訂を行いました。 問:大成拳の「大成」という二字の意味は何ですか? 答:「大成」という言葉は総集の意味を持ち、自己だけが優れているという意味ではなく、各派の拳術の長所を集めたものです。練習の時間について言えば、「百日で一つの小成、千日で一つの大成」という言葉があります。 問:気功や内功を鍛える人々の中には、意を丹田に守ることを主張する人が多いで…
意拳は1940年から1948年まで「大成拳」という名で呼ばれていた。この武術は一代宗師の王薌齋によって創設された。王薌齋は清の光緒年間に、形意拳の名師である郭雲深の下で学び、教えを受け継ぎ、伝授を得た。その後、長江の南北の各省を旅し、多くの名師と出会った。武道を通じての交流、研究を重ね、二十年代中期に各流派の長所を統合し、不要なものは捨て、必要なものは取り入れ、真実のみを保持する形で、当時の花拳繡腿や一招一式の片面的な傾向を打破するために「意拳」を創設した。意拳と名付けたのは、拳術訓練中の意の重要性を強調するためである。王薌齋は一生を拳法に捧げ、中国の武術界だけでなく、香港、日本、東南アジア、…
奇才拳学家王薌齋の技術 登場する先生 于鴻坤 (西松正彦) 内容 再現! 王薌齋の学んだ幻の老三拳 王選傑伝大成拳站樁 郭雲深が王薌齋に伝えた站樁 郭雲深が王薌齋に伝えた老三拳 于鴻坤老師インタビュー 印象に残った言葉 王選傑老師に軽く打たれただけで呼吸が出来なくなってしまったこともある。それでも私は若かったので、その晩に再度挑戦した。しかし王選傑老師の構え、目の力を見てすっかり萎えてしまった、これは「目撃」(※目の力でうつ)だ(于鴻坤) 私は王選傑老師と常志郎老師のお二人に就いて大成拳を練習したが、孫子の兵法に例えるなら王老師は「正」、常老師は「奇」だ。どちらも優れた技芸だ。両極端の二つを合…
大成拳宗師談拳学要義 大成拳の宗師、王薌齋は南北を問わず名が知られ、全国の武術家から賞賛されている。最近は北京門に居を構え、拳術の交流のため、特に毎週日曜日の午後1時から6時まで、大羊宜宾胡同1号で各界からの招待を受けている。これは拳学の名家と意見を交換し、我が国の尚武精神を日々発展させていくためである。意図は至って善良である。昨日、記者は王氏を訪れ、以下のような質問と回答を行った。 問:王先生の拳術は非常に優れており、長い間尊敬しております。先生の拳学に対する抱負を教えてください。 答:一般の友人たちから大成拳の代表者として推薦されていることは、非常に恐縮です。私は清の光緒三十三年に師を離れ…
第一章 総論(拳学述要) 我が国の拳学は戦国時代より興り、後に達磨の洗髄易筋の二法と華佗の五禽戲とを合わせて、その技を形成することとなった。今日、多数の門派が存在するも、その淵源は一つである。どのような派閥であれ、拳の名を外れることはない。拳とはいわゆる拳拳服膺の拳である。動静の中にあり、能く守り能く用いる。これが我々の気質や本能の道である。単に套路を数えて、専ら招法を論じる拳ではない。 拳学の一道は、特別に難しいものと考えてはならない。この上ない功夫も平易から得られることを知らなければならない。歩く(=行)、立つ(=站)、座る、寝る(=卧)、いつでもどこでも功を用いることができる。まず身体を…
これ何 本業とはあまり関係がないんですが、趣味で中国武術の翻訳(中文=>日本語)をしています。二年ぐらい前にDeepLやGoogle Translateの力を借りながらやっている時期もあったんですが、翻訳に時間が割かれすぎて、練習の時間がなくなるという本末転倒の状態になりしばらく辞めていました。 最近ChatGPTが出てきたので試しにこれで翻訳の補助をさせると片手間でそれっぽい翻訳ができるようになったので、その方法を紹介します。 直接業務の役に立つ人はいない気はしますが、ChatGPTを使った業務改善ぐらいの温度感で読むといいと思います。ちなみにChatGPTは課金していて、GPT-4を使って…
1、なぜ站樁をするのか 意拳には招式がなく、套路もない。全ては站樁から来る。初学は站樁を主とし、学んだ後もやはり站樁である。站樁を初めて学ぶ時、ほとんどの人が問題に触れる。すなわち、站樁は何を求めるのか? なぜ站樁をするのか? なぜ站樁には抽象的な想像を用いるのか? ある人は站樁で力を求めると言い、またある人は勁を求めると言う。私の体験からすると、站樁は本能を啓発する基本功夫であり、また最も根本的で最も重要な鍛練である。站樁は練習者が抽象的な意念を借りて、相対的に放松した過程の中で、松と緊の関係を体験し、力の感覚を体認し、力への適切な控制を学び、発力する時には適切で、一分も多くなく、一分も少な…
太極拳のあとの太極剣。 続けての練習も大変なのだが、演武会で套路(一連の動きの順序)を覚えて以降練習がハードに! 先生の熱の入れようが違う。そして私たち生徒もやればやるほどわからないところが増えていき、練習熱心に。 今日も大変頑張りました。 ☆サツマイモご飯☆ 脳内BGM♪アナザーモーニング/the pillows
天才武術家王薌齋が残した超革新的拳法、意拳 登場する先生 于永年 西松正彦 王玉芳 (姚承栄) 内容 意拳創始者、王薌齋 意拳、その構造と力 套路を超越した画期的訓練システム 新世代の旗手が実践する、新しい指導のかたち 王玉芳老師が語る等身大の王薌齋 印象に残った言葉 王先生は身長が低く、やせ型で、筋肉質でもなかった。けれども普通の人と推手で手を交えると皮膚が痛くなるだけだが、王先生との場合は腕の奥、骨まで響くほどの激痛と衝撃があった(于永年) (于永年先生曰く)しかし王老師が人を打つと、やられた相手が「もう一度(打撃を)味わわせてほしい」と頼んでくるほどであったという。その打撃は今まで味わっ…