tao4 lu4(タォルー) 中国武術における、(空手などの日本武道でいう)「型」のこと。招式あるいは架式と言われる技を連続して繰り出すもので、伝統武術の套路には気功的な意味もあり、近代空手の「型」のように、単体の技を繋げただけの練習とは言い切れない。 伝統的な套路と、競技用に制定された規定套路がある。
先日、何となく動画を見ていたらたまたま下記を見つけた。空手の型と中国拳法の套路を横並びで編集してある。 https://www.youtube.com/watch?v=uC9rdW06X2M 那覇手の型はほぼ中国拳法の套路そのままであり、現在の中国にもほぼ同じ型(套路)があるというのはどこかの文献にも書かれていたが、首里手の型については何回も中国へ自費で渡って調査した人でもその原型を捜し出すことはできていない。単に発音だけでどこそこの套路だろうとの解説はされていたが・・。 それに対し、上記動画は首里手の五十四歩、燕飛(ワンシュウ)、セーサン、観空(クーサンクー)が中国拳法の套路と横並びで紹介さ…
ナイハンチ、四方公相君、岩鶴(チントウ)は横(または縦・斜め)一線の型であるが、以前記載した四方公相君の紹介動画の中で、横一線の動作は中国(明)の軍事教練の影響を受けているものとの説があった。 → 古伝の型-四方公相君/Traditional Kata - Shihou-Kusanku - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans (hatenablog.com) 八極拳の小架一路や二路は縦一線であり、それなら他にも横(縦・斜め)一線の套路があるのではないか、それらにナイハンチ・四方公相君・岩鶴に似たもの、繋がるものは無いか、と思って捜してみた。 たまたま、小佐野淳著「図解…
先日、24式太極拳の前半を練習する時、先生が「左右を逆にした動きで練習をしてみましょう」とおっしゃった。 通常、練習をする時は、起勢の後、右手を上にした包掌からスタートして、左方向に上歩→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右手が上/左手が下の白鶴亮翅となる。 これらを、左右逆にして練習してみましょうと言うのだ。 すなわち、起勢の後、左手を上にした包掌からスタートして、右方向に上歩→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左手が上/右手が下の白鶴亮翅→右摟膝拗歩→左摟膝拗歩→右摟膝拗歩→右手が前/左手が右肘横の手揮琵琶へと続けるのだ。 野馬分鬃・摟膝拗歩・倒巻肱・攬雀尾は、左右同じ動きが、套路に組…
3段の1次試験に推手と言うものが有る。2人1組で一定の推手套路をするのが、これまでの試験内容だったが、今年はコロナ禍対策の為、変更になった様だ。 今年は、個々人がエアーで平円/立円/折畳の動き方を示せるかどうかの試験をするとの事。 相手の勁を聴く事も無く、単に動き方を覚えて、エアーでその動きをしても、何にも得るものは無いと思う。 「従来の3段1次試験でやっていた推手套路を覚えたい」と言う人が居たので、3年前に作ったメモを改定し「ご参考になれば」と渡した。 「エアーでやるだけでは物足りない」「従来の套路も覚えたい」と思う人が大勢いた様で、改定したメモのコピーが出回っていた。その人達に役立つなら嬉…
太極拳と一口に行っても、幅があり深さがあります。24式太極拳/総合太極拳/楊式太極拳/呉式太極拳と言うのは幅の話ですが、深さの話は、中々出来ていない様に思いますので、ここに深さ、すなわち「熟練の度合い」について、考えてみました。 ①一人で套路が出来る。②定式で両手両足の位置と重心位置が正しい。③両手両足と重心の移動のルートが正しい。④両手両足と重心の移動を同期させながら動ける⑤筋力に頼らずに放鬆してスムーズに動作が出来る。⑥動作と呼吸が同期してくる。 と言った様な熟練の度合いが、有ると思います。 XX式太極拳で①の段階が出来て、すぐ次の○○太極拳を覚えようとする人は、太極拳の表面的な所しか理解…
最近つくづく推手の練習が足りていないと痛感する。套路だけを練習していると、一旦身につけた動きに何の疑問も持たず、これが正しい身体の使い方だと思ってしまう。 身体の内側で上肢と下肢が繋がった太極拳套路を要求されていても、それが出来ているかどうかは、一人では判定しにくい。判定するには、2人ペアで練習するのが良い。套路をやっている人の腕の動きを、もう一人が少し邪魔した時、その結果で上下肢の繋がりが有るかどうか判定できる。2人の感度が良ければ良い程、判定は楽にできる。 繋がっていない時は、套路をやっている人が、姿勢を崩してしまうが、もし繋がっていれば、邪魔された感じを持たずに套路を続けられるのだ。 身…
套路だけをやっていても上手になれませんよ。推手をしたり、站椿功をしたりして、そこで掴んだものを套路に生かしてください。と先生がよく仰る。 前回の教室では、野馬分鬃の定式の前の手を、他の人に掴んでもらい、その人も連れだってシンクロした状態で、后坐する練習をした。まずは緩む事の練習で、次が緩んだままスルスルと後ろに下がる練習だ。 前の手を掴まれていながら、自由になる事が出来たら、それが本当の緩んだ姿だと先生は仰る。これは10回に1回ぐらいではあるが、そんな感じが出せた気がする。 次に緩んだまま下がる練習だが、下がろうとすると、手と身体の関係が崩れてしまう。手が先行したり、置いてきぼりに成ったりであ…
久しぶりの御幣島講習会で、一番心に残った言葉「やるしかない」 皆さん頑張り過ぎ、肩に力が入っている。力を抜いて、もっともっと淡々と飄々と動けばいいのです。倒巻肱の前の手はストンと落とせばいい。力を入れて引いてはダメですとの言葉。 言葉では、わかっていても実践は難しい。 知っていると出来るの間には、深いミゾがある。 それを埋めるのが、套路/推手/站椿功の練習、と言う事もわかっている。 練習やるしかないですね。練鬆リェンソン/肩鬆チェンソン。 太極拳は、知識ではなく、「身知」「体悟」なのだから。。。。
かなり以前から、”気”って何?という疑問をずっと持っていた。先日先生のお話の中に出て来て、なるほどと思ったのでここに書いておきます。 先生は「あまり考え過ぎずに、感覚的に捉えたら良いですよ。とりあえずは、”気”=気持ち良さと、解釈してみたらどうでしょう。」と言われ、私は、なるほどと思いました。 站椿功で、気持ち良さを育てて、それを自分の体内に蓄える練習をする。套路で、その気持ち良さを、くまなく全身に行き渡らせる練習をする。推手で、その気持ち良さを、他の人とやり取りし、交換する練習をする。 そう考えれば、目標がはっきりして来るし、正しいやり方をしているか、間違っているかを、自分で判断できる。 ”…
太極拳の先生の指示で、エアーキャッチボールするのを見た。 バスケットボールより少し大きくて、少し重いボールをイメージして、実際に持っているがごとく投げる、受け取る、そんな動作である。 当人たちの演技は素晴らしかった。手だけではなく、身体を使っている。 しかも体を動かす前に、投げるぞ!受け取るぞ!と言う意思が、見る者に伝わってきた。 まず投げるぞと思えば、身体は自然とその準備をするし、その後もバランスよく動いてくれる。 腹に力を込めてとか、腰を落としてとか、手をどうとか、個別の指示をいくつ積み上げても、こんなに上手にエアーキャッチボールは出来ない。 「意思が先に有るから上手にできる」と先生は言う…
太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室の指導員です。 実際に練習する事はすくないですが、当教室内の推手練習には、陳式太極拳の影響もあります。 これは、指導員である私が、陳式太極拳の練習もしているためです。 この陳式太極拳の動画をアップしました。この動画は、陳式太極拳の簡架式の演武です。 今回の動画では、練習初期に行う「定式」にて演武しています。 この簡架式は、陳式太極拳の老架式を簡略化した套路(型)です。 よかったら、下記よりご覧ください。 太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、太極拳の推手を中心に練習しています。十五式太極拳(伝統楊式系)、基本功法(気功)と推手(太極推手)…
昨日は、 暑さや湿気もある中で、 突然大雨が降る可能性もあり、 少々不安を伴いつつ、 空模様を見ながら、 太極拳の練習を行なった。 第7波が猛威を振るう状況だし、 来週と来来週はお盆休みとして、 太極拳の練習がない。 そこで昨日の練習は、 推手や用法など、 人と接触する練習はやらず、 外丹功と内功をやった後、 1人ずつ套路をやって終了した。 みんなもう套路はひと通りできるし、 私も注意すべきことは、 ほぼ全て注意した。 あとは皆さんがどれだけそれを呑み込み、 咀嚼するかにかかっている。 盆休み明けからは、 主に対人練習中心にするつもりだ。
太極拳には、十三勢と呼ばれる技術が存在します。これは、他の門派(流派)における、字訣と同種のものと言っていいと思います。 つまり、太極拳には、十三の字訣がある、とも言えるという事です。 また、昔は、太極拳の事を、単に、十三勢法などと総称していた事から、套路(型)や技は、後年になって形成されたもので、元々は、十三の理論のみが、受け継がれていたのではないかと推測できます。 また、楊式太極拳では、八門五歩とも呼びます。 具体的には、掤、履、擠、按、採、挒、肘、靠、進、退、顧、盼、定 の十三の秘訣です。 この、最初の八勢である、掤、履、擠、按、採、挒、肘、靠は、それぞれ坎、離、震、兌、乾、坤、艮、巽の…
「師兄あらわる」 昨日の練習は、仕事や怪我でメンバー数名がお休みで、いつも以上に人数が少ない練習となりました。 そんな中、九州産業大学中国武術部の監督であり、香港映画でアクション女優として活躍されたシンシア・ラスターこと大島由加里さんの福岡のアクションスクールの講師も務める、師兄の井上先生が練習に参加されました。 僕自身、井上先生の蟷螂拳の表演は何度か拝見していますが、一緒に練習という形は初めてでした。 整体師を本業とされていて、練習前に最近また少し出てる腰痛を診てもらえ、かなり楽になりました。 年齢は、たしか自分より3つ上ですが中国武術を長い年数培って来たその機敏な動きは流石です。 武術の動…
太極拳の練習をする場合、「套路」(型)の練習を中心に行う事が多いと思います。 この「套路」の練習をする場合、「鏡」の前に立って、自分の姿勢を確認しながら練習する場合があります。 また、自分の「套路」を「録画」して、姿勢を確認する事もあります。 もちろん、この練習法が間違っている訳ではありません。 確かに、学び始めたばかりの初心者は、自分の姿勢を、その都度、確認する事で、自分の感覚と実際の動作との一致を計る必要があります。 また、熟練者でも、このような事を行う事は、時々は必要な部分があります。 それは、姿勢などの崩れを、客観的に見て、修正するためです。 しかし、常に「鏡」を使って練習する事は、技…