tao4 lu4(タォルー) 中国武術における、(空手などの日本武道でいう)「型」のこと。招式あるいは架式と言われる技を連続して繰り出すもので、伝統武術の套路には気功的な意味もあり、近代空手の「型」のように、単体の技を繋げただけの練習とは言い切れない。 伝統的な套路と、競技用に制定された規定套路がある。
以前、推手の講習会に参加した時、先生から言われた言葉が、ずっと気になっていた。それは「相手と接する前に、腕から丹田への道を作っておく事。受け入れる準備を完了している事。」という言葉だ。 準備完了とはどんな状態を言うのか。バランスボールのように弾力のある身体/姿勢で居る事だろうと思う。では、弾力のある身体/姿勢で居るには、どうすれば良いのだろうか。 ①外圧が足裏に届く様に、骨の相対的位置関係(姿勢)を正しく保つ事。すなわち、虚領頂勁・含胸抜背・沈肩墜肘・尾閭正中・鬆腰鬆胯を守った姿勢で居る事だ。 ②関節の隙間を十分開けて、外圧に対する自然な縮み代を確保しておく事、筋肉を伸ばす方向に使って、関節の…
太極拳の技術を理解するには、理論的な思考が必要となります。理論的に物事を考えるための方法として、「具体」と「抽象」に分類する方法があります。 例えば、「夕食を作る」場合、これは内容が特定されていません。 メニューが決まっていないので、色々な選択肢が生まれます。つまり、これが「抽象」です。 「夕食にカレーを作る」となると内容が特定されます。 また、「夕食に特定のカレールーを使い、鶏肉を使い作る」となると、更に内容が特定されます。つまり、これが「具体」です。 「抽象」とは、色々な内容を含み、選択肢が広い内容となります。 「具体」とは、細かく内容を選定する事で、内容が明確化する事だとも言えます。 太…
太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、伝統的な太極拳を練習しています。練習内容としては、古伝の楊式太極拳と鄭子太極拳になります。 普段練習している套路(型)は、鄭子太極拳の37式の前半部分を抽出した、15式太極拳です。 鄭子太極拳の形態をベースに、古伝楊式太極拳の気功(運氣、内功)を内在させて補完した内容となっています。 下記が、その内容となります。 予備式 1、起勢 2、攬雀尾左 掤 3、攬雀尾右 掤 4、攬雀尾 扌履 5、攬雀尾 擠 6、攬雀尾 按 7、単鞭 8、提手(提手上勢) 9、靠 10、白鶴亮翅 11、左摟膝拗歩 12、手揮琵琶 (左摟膝拗歩) 13、進歩搬欄捶 14、…
推手で勁力をやり取りするとは、気をやり取りする事だ。気とは気持ち良さの事だ。推手では飛ばした人も飛ばされた人も気持ちが良いはずだ。套路も、推手も、站椿功も、気持ち良さを味わえない様なら正しくない。 太極拳が有るレベルに達した人は、手の位置や足の位置や姿勢が正しいかどうかを、他人に聞くべきではない。自分の身体と対話しながら、気持ちの良い姿勢を求めていけば良い。 唯一、他の人に助けて貰えるのは、推手の応用で、推し引きしてもらう事だ。姿勢が正しければ、他の人が推し引きしても、自分の足裏は地面と繋がっていて、筋肉に無駄な緊張が起こらず、気持ち良く対応出来るはずだ。 先日、先生から、このような趣旨のお話…
太極拳には、「推手」と呼ばれる練習法があります。 二人ペアになり、接触させたお互いの手(腕部)を、円形に回し動かすような練習です。 この「推手」の練習には、多くの練習形態があります。 一部の太極拳教室では、この「推手」の練習を、相手を推す練習だととらえている場合があります。 太極拳を、練習し始めた初心者では、相手を推す練習によって、身体を強靭にし、力の方向を明確にするために、このような事をする場合があります。 これは、楊式太極拳の中期以降に、制定された太極拳流派には、「炮捶」という練習法が失伝してしまったためです。 この技術を補うための、苦肉の策として、このような練習法が行われるようになったと…
先日、何となく動画を見ていたらたまたま下記を見つけた。空手の型と中国拳法の套路を横並びで編集してある。 https://www.youtube.com/watch?v=uC9rdW06X2M 那覇手の型はほぼ中国拳法の套路そのままであり、現在の中国にもほぼ同じ型(套路)があるというのはどこかの文献にも書かれていたが、首里手の型については何回も中国へ自費で渡って調査した人でもその原型を捜し出すことはできていない。単に発音だけでどこそこの套路だろうとの解説はされていたが・・。 それに対し、上記動画は首里手の五十四歩、燕飛(ワンシュウ)、セーサン、観空(クーサンクー)が中国拳法の套路と横並びで紹介さ…
ナイハンチ、四方公相君、岩鶴(チントウ)は横(または縦・斜め)一線の型であるが、以前記載した四方公相君の紹介動画の中で、横一線の動作は中国(明)の軍事教練の影響を受けているものとの説があった。 → 古伝の型-四方公相君/Traditional Kata - Shihou-Kusanku - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans (hatenablog.com) 八極拳の小架一路や二路は縦一線であり、それなら他にも横(縦・斜め)一線の套路があるのではないか、それらにナイハンチ・四方公相君・岩鶴に似たもの、繋がるものは無いか、と思って捜してみた。 たまたま、小佐野淳著「図解…
先日、24式太極拳の前半を練習する時、先生が「左右を逆にした動きで練習をしてみましょう」とおっしゃった。 通常、練習をする時は、起勢の後、右手を上にした包掌からスタートして、左方向に上歩→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右手が上/左手が下の白鶴亮翅となる。 これらを、左右逆にして練習してみましょうと言うのだ。 すなわち、起勢の後、左手を上にした包掌からスタートして、右方向に上歩→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左手が上/右手が下の白鶴亮翅→右摟膝拗歩→左摟膝拗歩→右摟膝拗歩→右手が前/左手が右肘横の手揮琵琶へと続けるのだ。 野馬分鬃・摟膝拗歩・倒巻肱・攬雀尾は、左右同じ動きが、套路に組…
3段の1次試験に推手と言うものが有る。2人1組で一定の推手套路をするのが、これまでの試験内容だったが、今年はコロナ禍対策の為、変更になった様だ。 今年は、個々人がエアーで平円/立円/折畳の動き方を示せるかどうかの試験をするとの事。 相手の勁を聴く事も無く、単に動き方を覚えて、エアーでその動きをしても、何にも得るものは無いと思う。 「従来の3段1次試験でやっていた推手套路を覚えたい」と言う人が居たので、3年前に作ったメモを改定し「ご参考になれば」と渡した。 「エアーでやるだけでは物足りない」「従来の套路も覚えたい」と思う人が大勢いた様で、改定したメモのコピーが出回っていた。その人達に役立つなら嬉…
太極拳と一口に行っても、幅があり深さがあります。24式太極拳/総合太極拳/楊式太極拳/呉式太極拳と言うのは幅の話ですが、深さの話は、中々出来ていない様に思いますので、ここに深さ、すなわち「熟練の度合い」について、考えてみました。 ①一人で套路が出来る。②定式で両手両足の位置と重心位置が正しい。③両手両足と重心の移動のルートが正しい。④両手両足と重心の移動を同期させながら動ける⑤筋力に頼らずに放鬆してスムーズに動作が出来る。⑥動作と呼吸が同期してくる。 と言った様な熟練の度合いが、有ると思います。 XX式太極拳で①の段階が出来て、すぐ次の○○太極拳を覚えようとする人は、太極拳の表面的な所しか理解…
2024年4月1日から10月11日までに行われたスポーツの国際競技会で活躍した、私が気づいた岩手アスリートの成績まとめです。皆さまの引き続きの応援をお願いします!(不注意から、一度記事内容を失ってしまいました。成績表のリンクが復活していません。徐々に直しますのでご容赦ください。) 【目次】 ■カヌー(1名) ■自転車(3名) ■射撃(1名) ■柔術(1名) ■柔道(2名) ■水上バイク(1名) ■スキー・スノーボード(3名) ■スポーツクライミング(4名) ■ソフトボール(1名) ■トライアスロン(2名) ■なぎなた(1名) ■バスケットボール(1名) ■バドミントン(1名) ■バレーボール(…
武術気功とは、中国の伝統的な武道と気功が融合した健康法や修養法の一種です。武術は主に身体を使った戦う技術であるのに対し、気功は内面のエネルギー(気)を活用し、心身の調和を図るための技術です。この二つの要素が組み合わさることで、武術気功は単なる戦いの技術だけでなく、健康や精神的な成長、さらには自己防衛の手段とされています。 ### 武術気功の歴史 武術気功の起源は古代中国にさかのぼります。おそらく紀元前の時代から、戦士たちは単に肉体的な力のみならず、精神的な訓練や呼吸調整を通じて自らの戦闘能力を高めようとしていました。道教や仏教の影響も受け、気功はさまざまな形で発展してきました。 武道の中には、…
2024年3月31日から10月9日までの全国大会などで優勝した、私が気づいた、岩手アスリートのご紹介です。下の競技名目次(五十音順です)をタップして、アスリートの活躍をご覧ください。私の基準で(これ、日本一だよな…)と思ったアスリートをあげていますが、もれ、ぬけなどありそうですので、お知らせいただければ幸いです。 ■アイスホッケー ■アーチェリー ■ウエイトリフティング ■オートバイ ■ゴルフ ■カヌー ■自転車 ■柔術 ■水泳 ■水上バイク ■スポーツクライミング ■相撲 ■ソフトテニス ■体操競技 ■卓球 ■綱引 ■トライアスロン ■なぎなた ■バドミントン ■武術太極拳 ■ボクシング ■…
ベストキッド(映画)の2作目を見たことがあるだろうか? 当時、25歳頃(35年くらい前)にレンタルDVDで見たが、女優の「タムリン・トミタ」さん(多分)が沖縄で盆踊りに参加するシーンがあって、その踊り(動作)が“空手の動作そのまんまじゃん”と思ったことがある(ご本人が武術経験者かどうか、演出家が何か知見があったのかどうか、全く知りません)。最近(10年くらい前?)に知ったが、大正三年一月一七日の琉球新報 沖縄の武技(上)で安里安恒氏は、「田舎の舞方なるものが所謂唐手の未だ発達せざる時代のそのままであろう」と述べておられる。それで、舞方と唐手? と以前から気になっている。 以前、棒術で記載したが…
昨日の太極拳の練習では、 いつも通りの練習の後、 推手を順に行なった。 立円・平円・双手・弸・履・擠・按、 最後に四正推手を行なった。 四正推手はまだ十分ではないが、 他はまずまずスムーズになってきた。 また先週から套路の細かい動きを、 丁寧に修正することを始めた。 今後はこの流れで進め、 推手もさらにバリエーションを、 少しずつ増やして行こうと思っている。
昨日は、 久しぶりに涼しく、 日射しも強くなかったので、 暑さを気にせず練習が出来た。 いつも通り身体をほぐし、 外丹功と立禅などを行なった。 その後は套路の一部を取り出し、 1人1人細かくチェックした。 暫くの間はこれを続けようと思っている。 最後に平円の単推手と双推手を行ない、 四正推手を行なった。 これまで四正推手は、 生徒さんそれぞれに対して、 私が相手をしたが、 少し慣れてきたので昨日初めて、 生徒さん同士でやってもらった。 やはりまだぎこちないが、 年末ぐらいにはスムーズになるのでは、 と思っている。
9月23日(月・祝) 代々木体育館で行われた「太極拳全国交流大会」 32式太極剣で参加しました。 剣を習い始めて、1年と3ヵ月 がんばったなぁ~ 私 なーんてね 去年の夏、太極剣と楊式太極拳を習い始めました。 新しいことを習うのは なかなか大変なお年頃 しかも、2種類 同時で なかりパニック なので、 「がんばったなぁ~ 私」です! 所属しているTFAの団体で いろいろな剣を同時表演しました。 参加したのは、全員で524人だったかな? 代々木体育館いっぱいになり、表演します。 笛の合図で、行進!! 縦横、あわせて~ ドキドキ 32式剣を表演する人数は、一番多く 数ある剣の型で、一番基本の套…
孫剣雲、実父孫禄堂を語る(前編) 登場する先生 孫剣雲 内容 功夫、武徳ともに秀れた偉大な武術家の生涯 印象に残った言葉 この三体式を練習する場合、同じ姿勢を続けて足か疲れたら左右を逆にして立つ。このように足を交代しなから、体力に合わせて数十分から一〜二時間にわたって、三体式の練習をする 父の弟子たちの中でも、本当に三体式だけを三年間やり通した人はそういません。この数少ない一人に、斉公博という人がいます。彼は三年間、三体式による站樁だけをやり続けました。午前中二時間、午後に二時間です。この間ずっと立ちっぱなしです。正確な三体式の姿勢は、初めての人は三十秒もできないほど苦しいもので、一時間、二時…
川辺でゆっくり空手の形を打ったあと、太極拳の套路(とうろ)を始めた途端、葦原からカモがワラワラ現れてきた。偶然だと思うのだけど、ひょっとしたら何か違いがあるのカモ。 *もう渡って来たんだ。 ランキング参加中ライフスタイル
先日、4段位昇段審査会の為に、練習している人の動きを見て、最初に感じたのは、伸び伸びしていない。恐る恐る動いている。という事だった。最近の講習会では多くの受講者が、この様に縮こまった動きをしているとの事で、心配になった。 起勢から右攬雀尾までを、時間をかけて、ゆっくり動作するのは何の為なのか。内視が重要だからだ。自分の身体の内側に神経を巡らせて、放鬆を意識し、丹田を意識し、気の流れ=開合を意識する為だ。 内視が出来ないと、放鬆の度合いが浅くなって、丹田の意識も薄れ、身体/手/脚を一体化出来ないし、開合も意識出来ない。形に拘って手を置きに行く(空の手/空の腰の)太極拳しか出来なくなってしまう。 …
拳術訓練を大局的に論じれば、あらゆる招法を尽くすと同時に、無招無法とも言える。拳術の套路招式の特徴に拘泥しないことこそが、拳術発展の趨勢である。実際、多くの拳術の名家は「拳を千遍打てば法は自然に」「無形無意こそ真の意」と強調している。つまるところ、我々が拳を習う際に従うのは自然の法であり、これによって初めて「一法も立てず、無法も容れず」となるのである。我々がよく目にする拳術の基本招法は、多かれ少なかれ主観的な人為的痕跡を帯びており、招式の用法と実践状況の乖離として表れている。 具体的に言えば、一人の拳手が反復練習を経て形式規範的な拳を打ち、腿を蹴る動作を習得した後、固定の木樁や砂袋を攻撃させる…
大成拳の断手は、習練者同士が互いに対練する実戦功法であり、また客方(相手、敵手)と徒手で拳を比べる一種の技撃形式である。断手の練習と応用は一致している。大成拳に関する論述と教拳の口決では、断手功法について多くは正面からの指導に重点が置かれている。例えば、断手をいかに正しく認識し、理解し、訓練し、応用するかということである。しかし、断手の練習と応用に不利な要因と、それをいかに克服し、さらに認識を深めるかという心法について伝授する人は少ない。そのため、断手に不利な誤りをいかに正すべきか、断手に不利な要因は何か、断手の効果に影響を与える原因には何があるかについて、習練者の多くは知らず、教師もこの方面…
老人の転倒について中国新聞に興味深い記事が載っていた。広島県の60才以上の労働者の労災の40%が転倒によるものなのだそうだ。 私の勉強はまだ「転倒予防にはバランス運動が良く、そしてそのバランス運動の効果を上げるために筋トレとストレッチもやると良い」というところまでだが、この記事で方向性は間違っていない手ごたえを感じた。今後、集めた資料から代表的な転倒予防運動をピックアップし、空手の形や太極拳の套路とすり合わせをしてみようと思う。 *「転倒防止」は中国語では「防跌」というらしいが、日本語にも二文字熟語(?)があると良いのに。自分で作るかな〜。 ランキング参加中ライフスタイル
今日は、太極拳フェスティバルの練習があって参加した。当日は15人で演武するのだが、今日の参加者は10人だった。総合太極拳の一部を割愛した套路を、4分弱の音楽に合わせて表演するのだ。 今日の練習のポイントは、 ①全員の動く速さを合わせる。 まずは、起勢で左足を開くタイミング・収勢で左足を寄せるタイミングをあわせる。 次には、曲調が変わる時に、どの套路をやっているか確認して、全体のペースを知る。 ②前後左右の列がずれない様に合わせる。 まずは、全員が歩幅を意識して、前後左右の移動に大小がない様にする。 次には、収脚→上歩、弓歩→跟歩、独立→上歩、転身→上歩の時、横幅の調整をする。 といった内容だっ…