tao4 lu4(タォルー) 中国武術における、(空手などの日本武道でいう)「型」のこと。招式あるいは架式と言われる技を連続して繰り出すもので、伝統武術の套路には気功的な意味もあり、近代空手の「型」のように、単体の技を繋げただけの練習とは言い切れない。 伝統的な套路と、競技用に制定された規定套路がある。
昨日教室で推手の練習をした時、「全員が気を付けるべき注意点」として、先生が話された内容を下記しておきたい。 ①套路練習をする事で身に付けて来た「正しい姿勢」とか「正しい動作」は、推手をする時も、しっかりと守るべきものである。と言うより、むしろ、1人でやる様な練習(套路練習)は、2人が対峙してやる練習(推手)を、上手にやる為の、基礎練習と言うべきものだ。 ②推手では「相手の力を受け入れて、足裏に届け、それを弾力に変換して、相手に返す」と言うのが基本だが、その為には、身体のすべての部位が、パ~ンと張って居るべきだし、相手との接触点から足裏までが、部分的に折れる事なく、弓の様に弾力のある姿勢で居るべ…
太極拳の教室で、推手を練習中に「套路をする時の注意点は、推手でも守るべき注意点です。これを疎かにすると、推手が上手く出来ませんよ」と、先生からお話しがありました。 24式太極拳の套路練習では「勁が足裏から腰を経て手に伝わっていくと言うイメージを持ちながら動く様に」とか「風船が四方八方に膨らんでいく様に、丹田からの広がりが手足に伝わるイメージで動く様に」と注意されたはずです。 でも、推手をする時には、その事をすっかり忘れ、手が先行して動いていませんか。塔手を組んで最初の掤をする時、肘を伸ばす事で相手を推そうとしては、駄目ですよ。丹田からの広がりが手足に伝わるイメージで身体から動き始めて、手はその…
以前、推手の講習会に参加した時、先生から言われた言葉が、ずっと気になっていた。それは「相手と接する前に、腕から丹田への道を作っておく事。受け入れる準備を完了している事。」という言葉だ。 準備完了とはどんな状態を言うのか。バランスボールのように弾力のある身体/姿勢で居る事だろうと思う。では、弾力のある身体/姿勢で居るには、どうすれば良いのだろうか。 ①外圧が足裏に届く様に、骨の相対的位置関係(姿勢)を正しく保つ事。すなわち、虚領頂勁・含胸抜背・沈肩墜肘・尾閭正中・鬆腰鬆胯を守った姿勢で居る事だ。 ②関節の隙間を十分開けて、外圧に対する自然な縮み代を確保しておく事、筋肉を伸ばす方向に使って、関節の…
太極拳の技術を理解するには、理論的な思考が必要となります。理論的に物事を考えるための方法として、「具体」と「抽象」に分類する方法があります。 例えば、「夕食を作る」場合、これは内容が特定されていません。 メニューが決まっていないので、色々な選択肢が生まれます。つまり、これが「抽象」です。 「夕食にカレーを作る」となると内容が特定されます。 また、「夕食に特定のカレールーを使い、鶏肉を使い作る」となると、更に内容が特定されます。つまり、これが「具体」です。 「抽象」とは、色々な内容を含み、選択肢が広い内容となります。 「具体」とは、細かく内容を選定する事で、内容が明確化する事だとも言えます。 太…
太極拳・伝統楊式系健気服扇功社・東京板橋教室では、伝統的な太極拳を練習しています。練習内容としては、古伝の楊式太極拳と鄭子太極拳になります。 普段練習している套路(型)は、鄭子太極拳の37式の前半部分を抽出した、15式太極拳です。 鄭子太極拳の形態をベースに、古伝楊式太極拳の気功(運氣、内功)を内在させて補完した内容となっています。 下記が、その内容となります。 予備式 1、起勢 2、攬雀尾左 掤 3、攬雀尾右 掤 4、攬雀尾 扌履 5、攬雀尾 擠 6、攬雀尾 按 7、単鞭 8、提手(提手上勢) 9、靠 10、白鶴亮翅 11、左摟膝拗歩 12、手揮琵琶 (左摟膝拗歩) 13、進歩搬欄捶 14、…
推手で勁力をやり取りするとは、気をやり取りする事だ。気とは気持ち良さの事だ。推手では飛ばした人も飛ばされた人も気持ちが良いはずだ。套路も、推手も、站椿功も、気持ち良さを味わえない様なら正しくない。 太極拳が有るレベルに達した人は、手の位置や足の位置や姿勢が正しいかどうかを、他人に聞くべきではない。自分の身体と対話しながら、気持ちの良い姿勢を求めていけば良い。 唯一、他の人に助けて貰えるのは、推手の応用で、推し引きしてもらう事だ。姿勢が正しければ、他の人が推し引きしても、自分の足裏は地面と繋がっていて、筋肉に無駄な緊張が起こらず、気持ち良く対応出来るはずだ。 先日、先生から、このような趣旨のお話…
太極拳には、「推手」と呼ばれる練習法があります。 二人ペアになり、接触させたお互いの手(腕部)を、円形に回し動かすような練習です。 この「推手」の練習には、多くの練習形態があります。 一部の太極拳教室では、この「推手」の練習を、相手を推す練習だととらえている場合があります。 太極拳を、練習し始めた初心者では、相手を推す練習によって、身体を強靭にし、力の方向を明確にするために、このような事をする場合があります。 これは、楊式太極拳の中期以降に、制定された太極拳流派には、「炮捶」という練習法が失伝してしまったためです。 この技術を補うための、苦肉の策として、このような練習法が行われるようになったと…
先日、何となく動画を見ていたらたまたま下記を見つけた。空手の型と中国拳法の套路を横並びで編集してある。 https://www.youtube.com/watch?v=uC9rdW06X2M 那覇手の型はほぼ中国拳法の套路そのままであり、現在の中国にもほぼ同じ型(套路)があるというのはどこかの文献にも書かれていたが、首里手の型については何回も中国へ自費で渡って調査した人でもその原型を捜し出すことはできていない。単に発音だけでどこそこの套路だろうとの解説はされていたが・・。 それに対し、上記動画は首里手の五十四歩、燕飛(ワンシュウ)、セーサン、観空(クーサンクー)が中国拳法の套路と横並びで紹介さ…
ナイハンチ、四方公相君、岩鶴(チントウ)は横(または縦・斜め)一線の型であるが、以前記載した四方公相君の紹介動画の中で、横一線の動作は中国(明)の軍事教練の影響を受けているものとの説があった。 → 古伝の型-四方公相君/Traditional Kata - Shihou-Kusanku - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans (hatenablog.com) 八極拳の小架一路や二路は縦一線であり、それなら他にも横(縦・斜め)一線の套路があるのではないか、それらにナイハンチ・四方公相君・岩鶴に似たもの、繋がるものは無いか、と思って捜してみた。 たまたま、小佐野淳著「図解…
先日、24式太極拳の前半を練習する時、先生が「左右を逆にした動きで練習をしてみましょう」とおっしゃった。 通常、練習をする時は、起勢の後、右手を上にした包掌からスタートして、左方向に上歩→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右手が上/左手が下の白鶴亮翅となる。 これらを、左右逆にして練習してみましょうと言うのだ。 すなわち、起勢の後、左手を上にした包掌からスタートして、右方向に上歩→右野馬分鬃→左野馬分鬃→右野馬分鬃→左手が上/右手が下の白鶴亮翅→右摟膝拗歩→左摟膝拗歩→右摟膝拗歩→右手が前/左手が右肘横の手揮琵琶へと続けるのだ。 野馬分鬃・摟膝拗歩・倒巻肱・攬雀尾は、左右同じ動きが、套路に組…