朝、目が覚める。 顔を洗い、ご飯を食べ、少し疲れた体にムチを打って今日も仕事へ向かう。 時にはイヤなこともある。どうして分かってもらえないのかとイライラしたり、理不尽に思えて悔しくなったり。 でもそんな日々のなかで、ふとした瞬間に笑ったり、誰かの一言に救われたり、温かい気持ちになったりもする。 …そんな日常を、当たり前だと思っていませんか? 私は老人ホームで介護士として働いています。毎日、いろんな人生の終盤に触れています。 そして思うのです。 悩んだり、怒ったり、笑ったり、喜んだり——それは全部、「体があるからこそ」できることなんだと。 「怒る」ということにも、命の力が必要だった ある日、食事…