大北君

この陽気のなか、どれほどのお骨折りだったことだろうか。 わが国の観測史上、記録したことのない気温だという。しかも最近の快晴日と較べて風もない。防ぎようがない。我慢しようがない。冷房を求めて、放浪の散歩に出るか。それはできない。荷物が届くことになっている。送り主かからも宅配会社からも、メールをいただいている。 大北君から、ご丹精の茄子とじゃが芋をご恵贈いただいた。この陽気のなか、いかばかりのご苦労あって、収穫されことたろうか。頭がさがる。学友のご健康を祈るに切なるものがある。 無事に届いたから、さて待ちかねたように外出、という気分にはなれなかった。友のご苦労を想えば、なによりもまずひと口でも、到…

夏は玉ねぎをシャキシャキ食う。私の拳ほどもある大型の、これが二分の一個だ。 生野菜サラダという習慣が私にはない。ビールの摘みに、人参やセロリや胡瓜の細切りスティックをかじる習慣もない。代りに生野菜に準じる食いかたとして、水に曝してから酢味噌で和えたヌタ風か、さもなければ浅漬けにする。 スライスオニオンをさらして、と云っても水に浸けおいてから固く握り絞ることを二度繰返すだけのことだが、それを酢味噌で食う。この陽気だから味噌より酢を心持ち強くしてみるか、というていどしか工夫の余地はない。 学友大北君の菜園から直送いただいた玉ねぎには、乾燥時間が少し足りないから、直射日光の射さぬ風通し好い場所に保存…

基本野菜、山ほど届く。 ご丹精の菜園収穫を季節ごとにご恵贈くださる学友大北君から、今回は日ごろ在庫を切らすことのない、私にとっての常備野菜を頂戴した。 まずは玉ねぎ。大は赤ん坊の頭ほどもある。私が青果店で求めるお徳用品の倍はある。ふだんはお得サイズを半カットし、さらに半カットして、四分の一を炒飯に、もう片方を味噌汁の実にして、二分の一個は冷蔵庫へ、というように使っている。が、今日ばかりは大胆に大量使用だ。殿様気分である。 半カットして、片方をオニオンスライスに。水に晒して絞っただけのスライスにシソの粉を振ってから、甘酢味噌をドロリと掛ける。ぬた風の味付けだが、もっともシンプルかつダイレクトに、…

地元の川口青果店とは、疎遠になりがちの季節が到来している。 ほんの二週間ほど前に、ご丹精の緑葉野菜を頂戴したばかりの大北君から、重ねてのご恵贈に与った。見事に育った蕪と春菊だ。 蕪には、うっすらと大北農園の土がこびり付いている。文字どおりの朝採り野菜を、すぐさま朝日新聞に包んでお送りくださった恰好だ。春菊については、新鮮そのものだから、あまり調理せず生野菜サラダがお奨めだと、大北君からメールをいただいた。 いずれも大好物ながら、口にする機会は多くない。独居暮しゆえの消費能力への自信なさから、青果店店頭でついつい手を伸ばしそびれてしまう野菜たちだ。ありがたい。 まず蕪は、葉と根とを切り離す。葉は…

今日は終日、気分を平安に保って過す日と決めた。 午前中から買物に出た。川口青果店にて、玉ねぎ、茄子、かぼちゃ。サミットストアにて、梅干しとらっきょう。ビッグエーにて、ウインナとロクピーチーズと牛乳。そしてセブンイレブンで電気代を振込んでから、煙草を買う。 大北農園より直送くださった野菜類を水に浸ける。届いた日はちょうどパソコンドクターながしろさんが往診にご来駕の日だったので、里芋の半分をお裾分けにお持ち帰り願った。残った半分を今日は私が使わせていただく。 産地直送野菜は新鮮この上もないが、土付きだし形もまちまちだ。水洗いは入念に、下ごしらえは丁寧にだ。食器洗い用のスポンジと金属たわしで、皮はお…

新機設定による最初の写真アップが、資源ゴミの回収コンテナとは、いやはや景気悪いことこの上もない。いや待て。むしろ私らしいと申すべきか。 寒い朝だ。札幌は雪だという。最低気温が零下３度だという。秋田も雪だという。北関東や甲信の山沿いも、今夜あたり雪混じりになりそうだという。いっぽう那覇は最高気温が25度にもなるという。高知が21度だという。日本はじつに細長い。 東京の朝も肌寒い。5時40分。まだ暗い。猛暑の盛りには、今日も暑くなりそうだと予感させる眩しさに満ちていた時刻だ。 6時にならなくては、つまりあたりがほんのりとでも白んでこないうちには、ゴミ回収のコンテナも辻つじに並ぶまいと思った。だが念…

いつまでも暑さ負けしてばかりいないで、秋の陣へと奮い立たねばと、昨日ようやく書いたところだったのに、学友大北君からご丹精の野菜をいただいてしまった。これぞ秋の第一陣で、すっかり先手を取られた恰好だ。 この陽気のなかを学友は、畑へ出て作物の成熟に気を配り、頃合いを看計らって収穫作業を敢行したと見える。敬服の極みだ。というか驚嘆のほかはない。 感謝しつつ心躍る気分で荷を解くと、茄子とモロヘイヤとオクラだった。 オクラは日ごろ自分では買わぬ野菜だ。穫れたて直送ものを手にする機会などめったにないから、なるべく手をかけたくない。となれば、やはりおひたしか。たしか塩揉みして表面の産毛を取るんだったと記憶す…