火は人類史において最も重要な発明の一つである。火を使うことで人類は生の食物から解放され、寒冷な地域へ進出し、夜という時間を手に入れた。しかし、その存在があまりにも身近であるがゆえに、「火とは何か」という問いは深く考えられてこなかった。 私たちは火を「見て」「感じて」いるが、実際には火そのものを触っているわけではない。燃えている木材やガスは触れられても、火自体はつかめない。この直感的な違和感こそが、火の本質を理解する入口となる。 本記事では、火を単なる日常現象としてではなく、「物質」「エネルギー」「化学反応」という視点から分解し、燃焼という現象の正体を明らかにしていく。 火とは「物質」なのか? …