第6節に入ります。 病んでいた頃の御風さん。苛立ちが言葉に出た、との事です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 いつもの内容コーナー 以上の如き内心の苦しみを感じ出してから、私は神経的にも恐ろしいほど病的になった。破滅にまで只一歩のところまで、幾度誘い出されたか知れない。 自殺の想像が殆ど毎日のように私を襲った。家庭内でのその頃の私は、ああ実に何と言う焦立(こたた)しい、何という馬鹿げた男だったろう。一日のうち一時間と続いて家の者と席を共にすることさえ、この2,3年私には出さなかった。 父に対しては流石に口の上だけの毒言で済ましたが、妻や子供らに対しては、私は幾度心にもない乱暴を働いた…