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2016-05-14

レオナルド熊の死と新生 レヴェナント:蘇りし者

| 22:34 | レオナルド熊の死と新生 レヴェナント:蘇りし者を含むブックマーク

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 レオナルド・ディカプリオがついにオスカーを獲ったよ!ということで話題となった最新作「レヴェナント:蘇りし者」を鑑賞。これは「ズートピア」と同じ日に観たのであるが、同じ動物が出てくる映画でもぜんぜん違うよ(当たり前)。この映画のちょいグロシーンでカップルがキャーキャー言ってたが「ズートピア」でも見てろ!ってツイートを見かけたりしたんだけど、個人的には「ズートピア」の方がハードだよ!(もちろんグロ描写的な意味ではないですが)。短め、駆け足的に感想いきます。

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物語

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 1823年アメリカ北西部、極寒の寒さの中狩猟をして毛皮を調達する一団。彼らはインディアンに襲われ多大な犠牲を払いながら難を逃れる。自然に詳しいヒュー・グラスは体調の信頼も厚い。インディアンとの間にもうけた息子ホークとこの一団に参加しているが、それゆえに白い目で見るものもいる。フィッツジェラルドもその一人だ。グラスが見回りに出た朝、熊の親子と出会い瀕死の重傷を負う。このままでは足手まといになり、全員が遭難しかけないことから、グラスの死を看取り埋葬したら合流するメンバーを募る。ホークとフィッツジェラルド、そしてまだ若いブリッジャーがその任に着く。

 フィッツジェラルドはグラスの了承のもと彼の息の根を止めようとするがホークに見つかりホークを殺してしまう。フィッツジェラルドは現場にいなかったブリッジャーを騙しグラスに僅かな土をかけ、その場を離れる。

 動けないまま息子が殺されるところを見ていたグラスはやがて奇跡的に一命を取り戻し、フィッツジェラルドへの復讐を誓って必死のサバイバルを始める……

 監督は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。前作がほぼ劇場という閉じた空間で展開されたのに対して、本作は大自然が舞台。雪景色、極寒の山、森、川。実際に撮影の多くは自然の中で行われ、しかも脚本通りに、順繰りに撮影されたとかで、古き良き超大作という趣もある。

 事前にはレオナルド・ディカプリオと熊が戦う、というぐらいしか知識がなくて「レオナルド熊だね」とか「『レオVS熊』って表現するとライオンと熊が戦うみたいだね」とか冗談言っていたのだが、映画はそんな冗談のいえる雰囲気のものではなかった。

 実は途中で少し眠ってしまったのだが(グラスがバッファローの群れと出会うところから目覚めたらインディアンが吊るされていた)、特に大きな影響はなしか。熊(ハイイログマ)との戦いは物語の序章であって、メインではなかったです。

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 ディカプリオはこれでオスカー主演男優賞)を獲って、そのことについては申し分なかったのだが(ただ個人的にはもっと早く取っていても良かったと思うし*1、その上でこれで?と言う思いはちょっとある)、セリフは少なく、生き延びようとするその強い意志がが前面に出てくる感じ。ヒゲの容貌に凍りついた鼻水もそのままで全編を通す。

 ディカプリオは41歳なので10代後半の息子(ホーク)がいても全然おかしくないのだが、やはりこの映画でもその若さがちょっと災いしてホークとの親子の描写はちょっと不自然に感じることも。「インセプション」とかのまだ小さい子供がいる描写なら全然自然なんだけどね。

 で、ディカプリオといえばなにげに数多くの実在の人物を演じた俳優なのだが、本作で演じたヒュー・グラスも実在の人物でアメリカの西部開拓時代初期を代表する伝説的な人物だという。僕も本作で知ったぐらいだが、この映画で起きた出来事はほぼそのまんまということらしい。

 映画では熊に襲われたあと、奇跡的に生き延びたグラスの決死行が描かれるが、その中で何度も象徴的な死と新生が描かれる。特に死んだ馬の腹を切り裂いて、内臓を取り出し、その腹の中で暖を取るシーンはその最もたるものだろう。グラスが生き延びる代わりにホークが、インディアンが、隊長が死んでいくのも象徴的だ。

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 主人公であるディカプリオ以外は宿敵となるフィッツジェラルドトム・ハーディ。ここでは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」とは真逆の環境のなか悪役を演じた。なんでしょう?基本的にむさい男だらけで個々の判別もつきにくい中、トム・ハーディの出演しているシーンは周りと温度が違うというか、ちょっとぴりっとした雰囲気になっているのはさすがだ。

 ほかに隊長に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」でファーストオーダーのハックス将軍を演じたドーナル・グリーソン。後は個人的にジム・ブリッジャーを演じたウィルポーターが印象深い。この人は「ナルニア国物語」の第3章で主人公兄弟の嫌味な親戚ユースチフを演じたが、顔はそのまま、身体だけ大きくなって「メイズ・ランナー」でも主人公と反発するガキ大将のような役柄を演じていた。いや全然美形でないんだけどいい表情の持ち主なんですよ。

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 ただ、観ていてどうしてもゲームのプレイ動画を見ているような気持ちになった。それはCGが多く使われているとか、

設定がゲームっぽいとかではなく(そういう意味ではむしろ正反対な作品だ)、大自然なのに自在なカメラワークとか編集とかの部分で最近のオープンワールドコンピューターゲームぽいなあ、とか思ってしまった。具体的にはやはり雪山で熊と戦うシーンがある「レッド・デッド・リデンプション」なのだが、最近の「アンチャーテッド」というゲーム(僕自身は未プレイ)など「これはゲーム画面です」と言う断り書きが必要なぐらい実写化と見まごう映像でしかもカメラワークは自在と言う画面が先にゲームで慣らされていて、映画で出てくると「ゲームっぽい」と脳が判断してしまうのかもしれない。

 結果として監督の前作「バードマン」と全然趣は違うにもかかわらず、近い雰囲気はある。どうにもまだ映像の凄さが物語の中で生かされている、と言うよりこれみよがしな技術のひけらかしっぽく見えてしまったりするんだよな(ただこの作品撮影監督エマニュエル・ルベツキの意向もかなり強いみたいです)。

関連記事

 監督の前作。

 音楽は坂本龍一。BGMとしてのスコアなのか、実際に劇中に響いいている効果音なのか判別つかないような不思議な感じです。

 先述の通りヒュー・グラスは実在の人物だが、一応原作となっているのはこちら。本作以前にもリチャード・C・サラフィアン監督によって1971年に「荒野を生きる(Man in the Wilderness)」というタイトルで映画化されているそうです。

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タイトルはこちらから。

*1:「ギルバート・レイプ」でとってても良かったと思う

2016-04-29

金曜29日はキン肉の日!筋肉映画ベストテン!(選・小覇王)

| 22:54 | 金曜29日はキン肉の日!筋肉映画ベストテン!(選・小覇王)を含むブックマーク

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今日は何の日?昭和の日?そんなのしるか!

金曜日になる29日はキン肉マンの日

 というわけで、相変わらず最高の展開が続くゆでたまごキン肉マン」ですが、そろそろ最終局面に移りそうです。さてキン肉マンといえばその筋肉!去年のワッシュさんのベストテンはおっぱい映画でしたが、今年は筋肉映画。

 去年雄っぱいだったため、惜しくも漏れたあの映画も入ってますよ。昨年のはこちら。

 一応の自分で決めた基準としては、アクション映画ではなくあくまで筋肉映画なので劇中で上半身裸になるシーンがあること。一俳優一作品。そのぐらいかな。それではランキング。

  1. ドラゴンへの道(ブルース・リー ブルース・リー監督1972年
  2. 燃えよドラゴン(ヤン・スエ ロバート・クローズ監督1973年
  3. コナン・ザ・グレート(アーノルド・シュワルツェネッガージョン・ミリアス監督1982年
  4. HK/変態仮面鈴木亮平 福田雄一監督2013年)
  5. G.I.ジョーイ・ビョンホン スティーブン・ソマーズ監督2009年)
  6. スコーピオン・キングザ・ロックakaドウェイン・ジョンソン チャック・ラッセル監督2002年)
  7. キングコング対ゴジラゴジラ 本多猪四郎監督1962年
  8. マイティ・ソークリス・ヘムズワースケネス・ブラナー監督2011年
  9. キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(クリス・エヴァンス ジョー・ジョンストン監督2011年
  10. X-メンヒュー・ジャックマン ブライアン・シンガー監督2000年)

 まあ、順位なんてあってないようなものです。

ドラゴンへの道(ブルース・リー

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 やはり、一位はブルース・リー。とはいえ作品としては比較的緩い部分もある「ドラゴンへの道」から。もちろん「燃えよドラゴン」のリーも最高なんですけど、この後に亡くなった、という目で見るからなのか、どうにも今にも張り裂けそうな緊張感にあふれていて、正直つらい部分もあるのです。そんなわけで比較的穏やかに見れるこちらのブルース・リーを。

ドラゴンへの道 [Blu-ray]

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燃えよドラゴン(ヤン・スエ)

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 で、その「燃えよドラゴン」からはブルース・リーではなく敵として登場するヤン・スエ(ボロ・ヤン)を。引き締まったリーの肉体と比べるとリアリティのあるレスラーっぽい肉体で、また正直美形とはいえない彼の容姿とも相まって全然別の魅力を映画に与えています。実は前回「おっぱい映画」と聞いて真っ先に思い浮かんだのがこのヤン・スエだったりします。なので今度こそランクイン!

コナン・ザ・グレート(アーノルド・シュワルツェネッガー)

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 ミスターオリンピアSF超人ヘラクレスボディビルダーとして最高の実績を引っさげてハリウッドにやってきた一人ゲルマン民族大移動。初期の出演映画ではもれなく脱いでその極限まで鍛え上げられた肉体を晒しているが、その中では初期主演作である「コナン・ザ・グレート」を。まだ英語がたどたどしいため台詞も少なく、寡黙な蛮勇を好演。このあと殺人サイボーグを経て国民的人気俳優に。政治家としても成功し、一時はアメリカ大統領に!ともいわれてた(アメリカ生まれではないため不可能なのだが)。ちなみに「コナン・ザ・グレート」と「スターウォーズ帝国の逆襲」はともにクライマックスでジェームズ・アール・ジョーンズが「私がお前の父だ。共に世界を支配しよう」みたいなことをいう映画なのだが、そこでうろたえるのがルーク・スカイウォーカーで、躊躇なく首をはねるのがシュワ。

HK/変態仮面鈴木亮平

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 今年は第2弾も控えている、顔を隠して身体隠さずな日本のヒーロー。鈴木亮平が30越えにして高校生を爽やかに演じています。その鍛えあげれた肉体が美しい。ちなみに鈴木亮平はこのあとドラマのほうではやせ細った病身の役などもメイクでなく演じて、ちょっとした和製クリスチャン・ベイルと言った趣もある俳優に。肉体美とは無縁ですが凄みという部分では安田顕の偽変態仮面も見どころです。

G.I.ジョーイ・ビョンホン

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 韓国映画の男優も脱ぎたがりな一面があるように思えるけれど、その代表格としてイ・ビョンホン。「レッド2」も良かったけれど、やはり白ニンジャストームシャドー役で出演した「G.I.ジョー」。ライバルであるスネーク・アイズ(レイ・パーク)が一切素顔を晒さないのに対し、もうすきあらば脱ぐ。韓国徴兵制があるせいか、男優が基本的に鍛えられている印象はありますね。

スコーピオン・キングザ・ロックakaドウェイン・ジョンソン

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 ザ・グレート・ワン、ピープルズ・チャンピオン、業界一シビれる男、ブラマ・ブル、ロック様の初主演作。「ハムナプトラ2」のラスボスだったスコーピオン・キングの前日譚(スピンオフ)。古代エジプトを舞台にサモアアメリカ人と中国系ハワイ人のヒロイン(ケリー・フー)が暴れまわる。「ハムナプトラ2」ではオープニングでその勇姿を見せるものの本編ではしょぼい味のあるCGモンスターになってしまったロック様であるが、こちらでは堂々主役。シリーズとしては続くがロック様が出ているのはこれのみ。この時は制作にWWEが関わっていることもあって、「ザ・ロック」名義で出演。現在は俳優活動は本名のドウェイン・ジョンソン、たまにWWEのリングに上がるときはザ・ロックと使い分けているようです。「ヘラクレス」もオススメ。

キングコング対ゴジラゴジラ

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 ちょっと反則技なんだけど、怪獣映画で一番の観客動員数を記録した(今はどうなんだったかな?)「キングコング対ゴジラ」から我らが怪獣王ゴジラさん。いわゆる怪獣プロレスとやゆされることもある路線の第一弾なんだけれど(ゴジラの逆襲ではまだ格闘という感じではなかった)、腕の太さ、胸筋、爬虫類っぽい頭、とここでしかミられないゴジラの造形が最高。対するアメリカから(正確にはファロ島)やって来た王者キングコングとも対等に渡り合う。ゴジラの造形としては後の平成VSシリーズの方がマッチョかなとも思うけれど、いわゆるプロレスラーに近い放射熱線よりもあくまで肉弾戦にこだわるゴジラとしてはこっちですな。

マイティ・ソークリス・ヘムズワース

 ここからはアメコミ・ヒーロー3連発(画像なし)。まずは北欧から来た暴れん坊雷神ソー。演じるクリス・ヘムズワースはこの前に「スター・トレック」でカーク船長の父親を演じていて冒頭数分の出番だったが強い印象を残した。ただ、その時は惑星連邦の艦隊の制服を着ていたこともあって、それほどマッチョな印象はなかったのだけれど、こちらではムッキムキに荒々しい北欧雷神でありながら妙にチャーミングなソーを魅力的に演じた。この時点でのMCU主演俳優では一番無名だったけれど、その後の活躍は御存知の通り。

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(クリス・エヴァンス

 今日(4月29日)公開されました「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の第一弾。他のMCU作品と違い第二次世界大戦を舞台にした前日譚的な物語。ひ弱な青年スティーブ・ロジャースが超人兵士製造計画の被験者となって常人を凌駕する肉体を手に入れキャプテン・アメリカとなる!この映画では実験前のひ弱なスティーブと実験後のムッキムキスティーブが登場するけれど、ひ弱な方がスタント&CGでムッキムキな身体がクリス・エヴァンズの自前。

X-メンヒュー・ジャックマン

 現在のアメコミ映画の隆盛の元となったのはこの映画から。そして一番人気のミュータント、ウルヴァリンはいきなり裸で登場。原作コミックスの身長160僂両柄な男は188cmの長身に。我らがヒュー・ジャックマンが世界に、そして日本に初お披露目した作品。この後はウルヴァリンの粗野な役だけでなく、元々地元オーストラリアでは知られていたミュージカル俳優としての美声も発揮したりしていまや21世紀を代表する俳優と言えるだろう。

 他にも単純に僕の好きな俳優が脱いでる、ということだとユアン・マクレガーの諸作品とかあるんだけど、やはりアクション系の作品ほど裸が印象に残らなかったのも事実で今回は除外。もっとその辺を気にして作品を見返せば今回思い出せなかった作品もまた発掘されるかもしれません。あくまで2016年4月の時点でのベストテンということで。

てか「キン肉マン」入ってないよ!(TVアニメはともかく劇場映画はあんまり……)

キン肉マン 54 (ジャンプコミックス)

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おまけ。

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2016-04-28

動物に託された偏見からの脱却 ズートピア

| 21:55 | 動物に託された偏見からの脱却 ズートピアを含むブックマーク

 例によってお久しぶりです。「バットマン V スーパーマン」の感想が結構書いたところで全部消えたので意気消沈しています。誰か新しいパソコンくれ!*1

 とりあえず数少ない劇場鑑賞からディズニーの最新作「ズートピア」の感想を箇条書き形式で。めっちゃハードでした!

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物語

 草食動物も肉食動物も共に共存する世界。哺乳類は人間のように文化を発達させ暮らしています。ウサギのジュディはウサギ初の警察官を目指し、警察学校を主席で卒業。大都市であるズートピアへの赴任が決まりました。その頃ズートピアでは肉食動物の行方不明が続出、しかし配属初日のジュディは捜査には加えてもらえず駐車違反の取締に回されるのでした。その中でキツネの詐欺師ニックと知り合うジュディ。都会の現実に打ちひしがれるジュディですがたまたまカワウソの主人が行方不明になったオッタートン夫人に捜査の安請け合いをしてしまいます。勝手に捜査を引き受けたジュディに署長は48時間以内に解決できなければクビという条件をつけて捜査をさせることに決めました。捜査資料にあった最後のオッタートンの写真にはニックからアイスキャンディを買う姿が。過去の詐欺の告白を録音したデータを餌にジュディはニックに捜査に協力させます。ウサギキツネのコンビが誕生。しかしこの事件の裏には巨大な陰謀が…

 ディズニーの3DCGアニメ作品としては「塔の上のラプンツェル」「シュガー・ラッシュ」「アナと雪の女王」「ベイマックス」に続く第5弾(「ボルト」もそうなのかな?まあ僕のブログ上での鑑賞では第5弾ということで)!ただTVスポットなどで「ラプンツェル、アナ、エルサに続くニューヒロイン」みたいな紹介のされ方をしていたのだが、僕の中では同じディズニーの3DCGアニメ作品でも「塔の上のラプンツェル」「アナと雪の女王」の古典童話を題材にした作品と「シュガー・ラッシュ」「ベイマックス」のオリジナルSF作品*2とでは明確に別の枠に区分されていて本作「ズートピア」は後者。だから童話路線の作品と一緒にされるのはちょっとどうなの?という部分はある。

 とはいえ、僕自身ちょっとこの作品を侮っていたところはあって、「ああ、動物の擬人化ものね。「カーズ」の動物版みたいなものか」って感じでそれこそ「シルバニアファミリー」とかみたいなかなりファンシーな子供向け作品だと思いこんでいた部分はあった。でもそれは大きな間違いでめっちゃハードな社会派サスペンス映画でした!

 内容としてはそれこそ「カーズ」「プレーンズ」系の「擬人化された何かを人間社会に置き換えたもの」なのだが、作りこみが半端無く、正直「カーズ」の世界はこれに比べるとかなり適当な感じさえ今となっては見えてしまう。

 まずこの「ズートピア」は哺乳類の肉食動物・草食動物が共に暮らす文明社会」という世界だが、まず連想するのがただいま放送中の「動物戦隊ジュウオウジャー」。どっちがコンセプトとして早かったのかわからないが、あちらもジューマンと呼ばれる動物たちがジューランドと呼ばれる世界で人間のように暮らす(が主人公たちは人間の世界に来てしまう)世界を描いた番組だ。ただ「ジュウオウジャー」はメンバーにサメがいたり(サメ自体は戦隊では定番の動物モチーフだが、明確に魚類なのでせめてイルカとかシャチとかにできなかったものか)、レッドは鳥だったり*3イマイチ徹底していない。人間を自動車や飛行機に置き換えた「カーズ」世界も同様で、牛や虫まで自動車だったりしてその世界観はあやふやだ。それに比べると「ズートピア」の世界は完全に哺乳類に限定しており、さらにそれは現在の我々の世界において野生動物として生きる種に限られる。つまり犬や猫、馬や牛といった愛玩動物・家畜である種類は登場しない。また猿やチンパンジーといった霊長類イルカクジラといった海の哺乳類も登場しない。あくまで陸生の野生動物に限られるのだ(一回観ただけでの感想でパンフレット等も読んでいないのでもしかしたら見落としあるかもですが)。これは人間を模した社会を形成しながら人間を観客に意識させないことに成功している。またここまで徹底したことで、単なる児童向けのファンタジーではなく、もっとSF的な背後の設定まで予測することもできる(つまり人類が滅び、そして如何に野生動物が共存文明化した世界が誕生したのか?とか)。ズートピアにおける様々な大きさの動物たちがうまく共存しているさまもスムーズに描かれる。ちなみに肉食動物は植物や昆虫を材料としたものを食べている、という劇中直接出てこない裏設定があるのだそう。

 物語は表向きは肉食動物の行方不明者を探し、その捜査の過程で明らかになる陰謀を暴く物語だが、その裏には現在の人類社会が今のなお抱える様々な問題を提示している。

 僕は映画の予告編(具体的な物語紹介はなし)を観た時に、「またキツネの詐欺師か。こういうある種族の動物に特定のステロタイプな役割を押し付けるのはどうなの?」というような疑問を持った。食いしん坊のブタ、亀の長老、知恵者のマンドリルといった具合。そろそろこういうのもある種の人種差別民族差別として問題にされてもいいんじゃないの?と。しかしそんな疑問を持った人こそ、この映画の格好のターゲット。そういう疑問に答えた映画であるともいえるだろう。

 主人公のジュディはウサギでありながら警察官を志すキャラクターだが、やけに色っぽく描かれている。これ自体、ウサギ好色という俗説を利用したものといえるだろう。雑誌「プレイボーイ」のシンボルはウサギだし、バニーガールなんて衣装もある。手塚治虫の「W3」のヒロイン、ボッコなんて人間態の時よりうさぎの姿のほうがエロティックだ。他の動物擬人化キャラクターはそれほど性差を外見に現れるものとして描かれていないが(服は着ているし、警官なんてほぼマッチョな雄なので判別はつくけれど、ボディラインとしては特に差はない)、ジュディと例外的にトムソンガゼルの歌手ガゼルが色っぽく描かれている。これによって警察内での「弱い存在」としてのジュディが際立つわけだ。そしてジュディはその偏見を退けようと奮闘する。

 一方でジュディはキツネという種にいかがわしさをもっていて、その態度は自分でも知らぬうちにニックに対して向けられてしまう。ニックもキツネというだけで虐げられた結果、ズートピア社会でまっとうに生きる道を見失い詐欺師として生きている。この二人の互いを分かり合いぶつかり合う過程も見どころだ。

 ちなみに制限時間48時間の警官と犯罪者のバディもの、というのは「48時間」だね。

48時間パック [DVD]

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 物語は肉食動物の行方不明事件は実は野生化した動物を市長(ライオン)が密かに保護していたものと判明する展開を迎える。保護というか隠蔽工作。そして野生化の原因が不明のまま、しかし肉食動物の身にだけ起きる、と民衆に伝えた結果、草食動物と肉食動物の間に相互不信が拡がる。ニックもジュディの何気ない偏見に基づいた言葉で彼女の元を去る。

 この展開は何よりアメリカ国内の人種問題を元にしているのだろうが、僕はまず永井豪の「デビルマン」(原作版)を連想した。あの中でデーモンが人間への合体攻撃を繰り返した結果、ある科学者が「デーモンの正体は社会に不満を持った人間だ!」と結論しその結果を発表することで人類は魔女狩りを行い自滅する(実はサタンであった不動明の親友飛鳥了がそれに拍車をかける)。

デビルマン」まで連想せずともこの展開で実際の人種・民族問題を連想することは容易だ。日本国内の問題に置き換えるのだって容易だろう。ただ肉食動物と草食動物の人口比が1:9であり、どちらかと言えば社会の上層部を肉食動物が多く占めていた、そして今回の事件は動物間の憎悪を煽り、草食動物が権力を握るためのヒツジの副市長の陰謀だった、という展開はおそらくルワンダの大虐殺事件がモチーフなのではないかと思う。ルワンダでは1994年に大多数を占めるフツ族フツ族出身の大統領が暗殺されたことをきっかけとして少数のツチ族への虐殺が行われた。この時憎悪を煽ったのがラジオや新聞といったメディアだった。もちろん映画ではそんな大虐殺が起きる前に事件は解決するのだが、もし一歩誤れば同じような事態になっていた可能性もあるだろうと思わせる。

 結果として「なりたいものになれる」という、それこそ「カーズ」や「プレーンズ」そして「モンスターズ・インク」などで描かれたテーマの最も優れた作品となったのではないだろうか、と思う。ホッキョクグマを従えるネズミのマフィアとかその動物の持つギャップをギャグにしている一方で、相棒としてのキツネ(西欧社会では往々にして嫌われている存在)や善良な存在として描かれることの多いヒツジが黒幕だったという展開は我々の持っており動物のイメージから脱却している。ちなみにヒツジはキリスト教において人間を意味する存在でもあり、多分この物語に出てくる唯一、現実の人間との関連を伺わせる存在でもある(前述したとおりこの世界には基本的に現在の人間と縁が深い家畜、愛玩動物や人間に近い霊長類は登場しないが、ヒツジはほぼ唯一の例外ともいえるだろう)。動物擬人化ものの枷から我々を解放してくれる物語だ。

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 動物擬人化ものの枷から我々を解放してくれる、と書いたが、実は一人だけ従来のイメージを引っ張ったままなのがイタチのウィーゼルトンで、イタチの持つ小賢しい悪党、といったイメージを踏襲している。ただ、これは英語版で演じているのがアラン・テュディックで、この人はここ最近のディズニー映画では「シュガー・ラッシュ」のキャンディ大王、「ベイマックス」のアリスター・クレイと悪役で常連出演していて、なにより「アナと雪の女王」では小悪党ウェーゼルトン公爵を演じていて、ウィーゼルタウン(イタチの町)と名前を間違えられるというキャラだった。今度はまんまイタチであるウィーゼルトンを演じているわけで、これは別の作品のキャラがそのまま別の作品に登場するスターシステムの亜種みたいなものと思っていいのではないだろうかと思う。

ズートピア オリジナル・サウンドトラック

ズートピア オリジナル・サウンドトラック

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 今回は同時上映作品はなしで、日本語吹き替え版で鑑賞。ジュディを上戸彩が、ニックを森川智之が演じていて特に問題はなし。上戸彩は以前にやはり3DCGアニメとして作られた「鉄腕アトム」のリメイクATOM」でアトムの声をやっていて、その時はやはり少年の声というよりはどうしても少女の声になっていていまいちだったのだが、今回は少女らしさももつ大人の女性ということで特に違和感はなし。言われなければ気づかないレベルだと思います。森川智之はもちろん最高。

他に劇中で出てくる歌手のガゼル(英語ではシャキーラが演じている)にE-girlsのDream Ami(一部歌も)、警察のぐうたらな受付のチーター、クロスハウザーにサバンナ高橋茂雄サバンナ高橋はもしかしたらサバンナという点での起用だったのかもしれないけど普通に上手かったです。関西弁になるわけでもないしね。

 ただ、上戸彩、Dream AmiということでどうにもEXILEの影がちらつくのがちょっと不信感。なんといっても同じディズニー制作のMCU「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の日本版イメージソングEXILEの人がやっているということでちょっとこれ以上こっち来ないで!という感じ。

 ディズニーにしろ、ピクサーにしろ、あるいはドリームワークスにしろここ最近のアメリカの3DCGアニメ映画はほぼハズレがない状態なのだけれど、この「ズートピア」はその中でも最高レベルの傑作ではないでしょうか。オススメ!

*1:とはいえなんとか近日中に挙げたい

*2:とはいえ「シュガー・ラッシュ」には様々な実際のゲームが取り上げられているし、「ベイマックス」は一応間マーベルコミックス原作だけど

*3:本来ならジュウオウニンゲンにでも変身するべきなのだろうが、わけあってワシに。そしてワシのジューマンも登場

名無し名無し 2016/05/04 06:55 いつも楽しく拝見させていただいています。
確かに素晴らしい映画でしたが、すごく気になってしまったのは人類がいない世界観なのに、家畜の豚がいた点です(イタチの泥棒に入られてジュディに助けを求める花屋の店員が豚でした)。
私は「そこは宮崎駿アニメのオマージュ的なこと?」と無理矢理解釈しましたが。

susahadeth52623susahadeth52623 2016/05/05 21:34 >名無しさん
あ、豚いましたか!家畜系や霊長類がいないのは人間を連想させないためかなあ、と思うのですが(犬・猫に関しては監督がそんなことを言っていたような)、豚はどうなんでしょう?野生化すると猪化するしなあ。

2016-04-03

老いてますます盛ん!なんだけどちょっと… 仮面ライダー1号

| 18:06 | 老いてますます盛ん!なんだけどちょっと… 仮面ライダー1号を含むブックマーク

 はい!また一ヶ月間が空いてしまいましたが、もうあんまり触れませんよ。慢性化してるからね(スイマセン!)。

 というわけで、もう4月です。3月は2本しか劇場で映画鑑賞ができなかったけれど、なんとか鑑賞本数もブログ更新スケジュールも今までのように戻していきたい。でも!3月に観た2本はもう少しだけ置いといて、今回は4月1日に観た映画の感想を。「仮面ライダー1号」を鑑賞。

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物語

 かつて一世を風靡した悪の秘密結社ショッカー。しかし今はショッカーとそこから独立したノバショッカーに分かれて互いに争っていた。鍵となるのは立花麻由という高校生の少女。2つの組織に狙われた彼女を助けた仮面ライダーゴースト天空寺タケルは彼女の秘密を探るため、教育実習生として彼女の高校、陵南大付属高校へ赴く。再びショッカーが彼女を襲い、ゴーストも立ち向かうが、麻由を助けたのは一人の男だった。彼こそが最初のライダー仮面ライダー1号本郷猛

 えーと、一応年末に仮面ライダーゴースト仮面ライダードライブのMOVIE大戦「ゴースト&ドライブ超MOVIE大戦ジェネシス」も、年明けの「手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー」も劇場で観てはいます。この2つに関してはまた別に後で感想書きますが、とりあえず現役ライダーの最新作です。

 一応ライダー誕生45週年記念作品で、最初に発表された時は「仮面ライダー3号」に続く感じなのかな、と思ったんですが、これ「企画・藤岡弘、」でもあります。個人的にはどうせやるなら本当に藤岡弘、単独主演でゴーストとか今のライダー絡めない作品が良かったのですが、TVスポットなどから予想されている以上にゴーストはゲスト出演ではなく、ゴーストの映画でもありました。

 脚本は「鳥人戦隊ジェットマン」などの井上敏樹。TVシリーズの最初の「仮面ライダー」を始めとして数々の特撮作品を手がけた伊上勝の息子。今回は一応「仮面ライダーゴースト」の映画でもあるが、前回藤岡弘、が素顔で出演した「平成ライダー昭和ライダー」に比べると、登場作品が最初の「仮面ライダー」と「仮面ライダーゴースト」に限られ、登場ライダーも1号、ゴーストスペクターの3人、ゴーストの敵組織である眼魔も登場しない事もあって、この手のイベントムービーとしては比較的よくまとまっていたほうだと思います。

 物語としてはおそらく本郷猛側から見ると「仮面ライダーBLACK RX」の最終回から繋がる形でしょうか。以前に藤岡弘、が素顔で登場した「平成対昭和ライダー」とはパラレル。

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 事前に話題になっていた新造形の1号のデザインは元のデザインのスリムさから遠く離れ、モチーフであるバッタの脚力とは無縁な感じに。どちらかと言えばダンゴムシを連想さえする。てっきり最初は元の(旧1号とは言わないまでも)デザインのライダーとして変身して劇中で新しいデザインにパワーアップするのかな?と思ったのだが、最初からこのデザインで登場。ただ、本郷猛を演じる藤岡弘、が45年前に比べると当然だが太っているので(といっても全然スタイルはいいと思う)変身後と変身前のギャップが少ない、という意味では合っているデザイン。でもやっぱりこのデザインだと技の1号というよりは力の2号ッて感じ。

 本郷猛は21世紀のライダーとしては稀有なノーヘルでバイクに乗るライダーです(さすがに公道は走ってなかったと思うけど)。

 ショッカーとノバショッカーの違いはショッカーが旧来の再生怪人なのに対して、ノバショッカーが新しい怪人といったところか。ショッカー怪人としては毒トカゲ男とガニコウモル、シオマネキングの3体が登場。毒トカゲ男はともかく、ガニコウモルとシオマネキングはもうこの手の映画などではほぼ皆勤賞に近いのでは?東映はこの2怪人にはシリーズ功労賞を挙げるべきだと思いますね。ガニコウモルはTV後半ショッカーゲルショッカーに変わってからの最初の怪人で、子供の頃見た時(といってもリアルタイムではなく再放送)はその役も造形も含めてとても怖かった記憶があるのだけれど、これは以前も書いたと思うけれど、現在の発色の良い画面で見ると凄くしょぼく見えてしまう。そろそろガニコウモル自体の再デザイン、新規造形をしてあげて欲しい。シオマネキングは今のデザインでも十分ショッカー怪人としてよく出来ていると思います。ただほぼショッカーの怪人としては出ずっぱりなのにあんまり印象に残らない怪人でもあるのだけれど。

 ショッカーの大幹部として大杉漣の演じる地獄大使が登場。大杉漣地獄大使は「仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」に続いて二度目。デザインも特徴的なシルエットは残しながら黒いカラーリング。ちょっと大杉漣の顔の形と兜がフィットしてなくて隙間が見えるような感じだったのが残念か。ガラガランダにも変身、なんとライダーと並んで見得を切る

 ノバショッカーショッカーの若手が独立した組織でこれまでの破壊工作による征服手段から経済を掌握することによる征服を企むが、まあ最終的にはショッカーとそう変わりません。これまでもいろんなショッカーを名乗る組織が出てきたし、その中にはショッカーを名乗るのもおこがましい物もありましたが、このノバショッカーは比較的小規模ながらかなりよくやった方ではないでしょうか。最初の方針に徹してればよかったんだよ……

ちなみに山口組の分裂とそれに伴う山口組神戸山口組ショッカーに託してもっとも早く映像化した作品が本作である、という説を唱えてみたのですがどうでしょうか?

 ノバショッカー幹部はウルガ、バッファル、イーグラの3人。リーダー格のウルガは狼怪人に変身するが、バッファルはゲバコンドルを再デザインしたっぽい怪人に。名前からするとバッファローぽいのにね。そしてイーグラは長澤奈央が演じる女性幹部だが彼女だけ変身せず。名前からするとイーグル=鷲っぽいがサーベルをフェンシングのように扱う戦い方からすると蜂女なのだろうか。

 物語はヒロイン立花麻由の中に眠る英雄眼魂を巡って展開するのだが、この眼魂がいったい誰のものなのか映画を見ながら予想していた。「ゴースト」では英雄の魂が宿る眼魂を使って変身するのだが、そのラインナップが結構あやふやで確かに英雄というのもあれば、架空(実在したか怪しいロビン・フッド)の人物や、業績が過大評価されているもの(ねずみ小僧ビリー・ザ・キッド)、全然英雄じゃないむしろ弱そう(ツタンカーメン)など知名度優先な感じ。ただ逆に何でもありなラインナップではある。麻由はその影響で時折別人格が現れるのだ。最初は普通に大首領のもの。ショッカーとノバショッカーが争い、地獄大使にその眼魂を手に入れろ!と何者か(ゴーストの登場人物?)が告げるのだが、一番しっくり来るのが大首領の魂だろう。しかし今回は大首領のことはまったく触れられなかった。次に立花藤兵衛その人。立花麻由は名字で分かるようにシリーズでは欠かせなかったおやっさんこと立花藤兵衛の孫。後述するけれど、麻由の本郷猛への態度などからむしろ孫に宿ったおやっさんその人なのでは、とも思った。そしてその眼魂が出てくる直前に連想したのがチンギス・ハーン。世界を最も広大に征服した英雄といえばチンギス・ハーン。イーグラがまだ変身していないし、彼女がチンギス・ハーン眼魂を使って「ジンギスカンコンドル」になるのでは?!などと思ってしまった。

 そして実際に出てきたのはアレキサンダー大王!まあ確かにアレキサンダー大王ならチンギス・ハーン時比べても遜色ない英雄ではある。このアレキサンダー大王の眼魂でウルガがパワーアップ、しかし制御しきれなくなったウルガをライダーたち(&地獄大使)が倒す、という展開へ。アレキサンダー大王は奇しくも同じ日に観た「バットマンVスーパーマン」の方にもちょこっと出てきて面白いシンクロ。

 クライマックスの戦いで出てくる仮面ライダーWの眼魂を始めとしたW以降のライダーの眼魂を使っての変身は劇中ではどうやって手に入れたのかまったく言及されず、いきなり出てくる。TVの方でもなかったと思う。Web限定の前日譚ムービーか何かあるのだろうか。ただ、もうその辺は僕の中では気にならないというか、この手のイベントムービーでは気にしてもしょうがない、という境地にあるので普通に楽しかったです(Wとフォーゼが出てくるとそれだけである程度許せる、というのもある)。

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 さて、事前に聞いていた本郷猛と言うより藤岡弘、本人の説教臭い授業シーンなど一部で「宗教」と言われているような部分も確かにあったのだけれど、まあ藤岡弘、が企画はもちろん脚本にも関わっているようなので、その辺は歪ではあるけれど許容範囲。個人的にもやっとしたのが本郷猛とヒロイン立花麻由の関係性。

 先述した通り立花麻由は立花藤兵衛の孫娘で、両親はすでに亡く本郷猛はおやっさんからの遺言でその行く末を託された。で「大人になるまで見守る」ということだったのだけれど、本郷猛は彼女が中学の時点でどこかに行ってしまう。義務教育終了の時点でもう大人と思ったのか?それでは現在はちょっときついっすよ本郷さん。物語開始時点では本郷猛はタイにいるんだけど、特にその説明はない(おそらく海外のショッカー残党を追いかけていた、とかではあるのだろう)。

 そして戻ってきた本郷猛は高校生になった麻由から「猛」と名前で呼び捨てにされる。劇中でもクラスのモブの生徒から「猛って…」みたいなツッコミもあるのだけれど、これがかなり不自然。この高校生による約50歳年上の相手への呼び捨てがあまりに不自然なので先述した「見た目は女子高生だけど、実は中身はおやっさんその人」とかまで想像してしまった。これがアメリカとかだったらそう不自然ではないんだけど、別に本郷猛が立花麻由を海外で育てた、とかいう設定もないようだし。日本だと「ルパン三世 カリオストロの城」でクラリスルパンへの呼びかけに使った「おじさま」とかのほうがまだ自然かな‘(あれはあれでちょっと気持ち悪くもあるんだけど)、普通に「猛おじちゃん」とかで良かったじゃないでしょうか?

 その後の描写を見ても制作側はこの50歳近く年齢差のある二人の関係を保護者と被保護者の擬似親子というよりは恋人同士のように描いていると思う。もちろん児童向け作品なので直接的な描写はないけれど。

 別に年齢差のあるカップルがいても良いんだいけれど、それならせめて麻由の設定を高校生ではなく大学生にできなかっただろうか?立花藤兵衛の孫という設定ならもっと上の年齢でも全然問題なかったと思うんだよね。麻由は制服を着ての登場シーンも多いんだけど、これは僕の個人的な考えだけど、学校の制服と言うのは「まだ子供」であることの象徴だと思う。だから高校生同士ならともかく、大人と制服を着た高校生の恋愛(准恋愛)は本来庇護する大人が子供に手を出している風に見えてしまう。これが大学生なら、まだ社会に出ていないという部分では高校生と変わらないけれど、常に私服なのでそういう印象が小さくなる。藤岡弘、自身は70歳という年齢の割には見た目も中身も若いとは思うので若い女性(と言ったって20代)との恋愛ものがあったって全然不自然とは思わないけれどさすがにちょっと…。立花麻由を演じた岡本夏美はルックスも声も武田梨奈をに似た感じで良かったです。

 藤岡弘、って70歳なんだよね。今「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部がアニメ放送されているけれど、その第3部「スターダストクルセイダーズ」に出てくるジョセフ・ジョースターが69歳。子供の頃連載で第3部を読んでた時は「こんなマッチョな老人はいねえよ!」とか思ってたんだけど、普通にいるね。シルベスター・スタローンも69歳だし、シュワも68歳。チャック・ノリスに至っては76歳だ!そういやビンス・マクマホンも今年70歳。世の爺さんは元気だ。

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 ゴースト側の出演は物語の邪魔にならない程度に爽やかで良かったと思います。前回(MOVIE大戦ジェネシス)でも竹中直人ワンポイント怪演が目立ったけれど、今回も似た感じ。ちなみにTVシリーズの方のラスボスは蘇って再び世界を征服せんとする豊臣秀吉竹中直人、と言う説を僕は唱えています。

仮面ライダー Blu-ray BOX 1

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藤岡弘、が顔出しで出ている前作。

通りすがりの通りすがりの 2016/04/04 08:06 ライダー眼魂の入手経緯は、「ライダーの魂」編としてYouTubeで無料配信されています。
そのまた後日談(1号魂が出ると発表されているので、この映画の後日談でもある?)が眼魂のオマケのDVDのみ収録・・・というオチはつきますが、配信ぶんでも一段落ついてますし、一話5分程度なのでそう長いものでもありません。

特にドライブ、W、フォーゼ辺りが好きな方は、見て後悔する作品ではないと思いますよ。

susahadeth52623susahadeth52623 2016/04/05 14:46 >通りすがりの さん
コメントどうもです!YouTubeで配信されてるんですね。上方ありがとうございます。今回はパンフも買っておらずほぼ事前情報無しで鑑賞、感想も書いたもので。早速見てみたいと思います!

2016-03-01

2016年は変態黙示録!

| 00:01 | 2016年は変態黙示録!を含むブックマーク

V6!V6!V6!V6!V6!V6!

 といってもジャニーズの方じゃないよ。見事「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が6部門オスカー獲ったということで。ただやっぱり技術や美術の方での受賞ばかりで作品賞監督賞は無理だったね…その2つがあればV8!だったのに!

 さてアカデミー賞といえばオスカー像。オスカーといえば駄目論法ことオスカー・アイザックの「X-MEN アポカリプス」なのだけれど(無理やりつないだぞ)、映画のチラシを手に入れたら、あまりに対照的な物が並んでしまった。

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まったく対照的でおよそ似たところなど感じられないけれど、原作はもちろん(マーベルコミックス)、映画の中でも世界観を共通する2作品(デッドプール20世紀FOXX-MENユニバースに属する作品)。

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 一方コチラは世界観はもちろん、国籍さえ違うのにどこか共通するところがある2作品。実はデビューもほぼ同期だったりするのです。

いや以前から、「デッドプールの日本公開に合わせて変態仮面の続編ぶつけろよ!(ついでに仮面ライダーゴーストも!)」などと冗談交じりにつぶやいていたのですが、まさか、水面下で本当に進行していたとは!時期的にもデッドプールに合わせてきた感じ。前作からのキャストはほぼ続投(安田顕も出るよ!)。そしてなぜか木根尚登の名前も!これはデッドプールともども楽しみだ!

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日米変態ヒーロー大戦!