本の紹介文、ブック・レビュー。 通常はいわゆる新刊本について行われることが多く、読者の書籍選びにあたって参考に供する意味を持つ。
ニッポンの書評 (光文社新書)
関連リンク 書評 - Wikipedia 好書好日|Good Life With Books http://www.yomiuri.co.jp/book/review/ 書評サイト-本スキ。 ビジネス書の書評・要約まとめサイト bookvinegar-ブックビネガー HONZ - 読みたい本が、きっと見つかる!
ヒポクラテスは古代ギリシャのコス島出身の医者である。医学を魔術やいかさまの世界から救い出し、経験的な科学へと昇華させたことで「医学の父」として認められている。 國方栄二に関しては断片的な情報しか得られなかったが、京都大学の非常勤講師を務め、京都大学学術出版会の『西洋古典叢書』の編集者の一人でもあるという。 本書が誕生するきっかけについては、巻末の解説や國方のTwitterにて、関西医科大学・森進一教授(故人)のギリシャ語文献の読書会に15年ほど参加したことが発端となったと書いてあった。 本文と参考文献欄を見れば、本書が恐るべき仕事であることは一目瞭然であるし、解説の充実ぶりと洗練具合も非常に高…
さて本日は、田中洋著 「消費者行動論体系」 消費者行動論体系 作者:田中 洋 中央経済社 Amazon という難しい本について書いていきたいと思います。 詳細は省きますが、一言で言えば 「消費者行動を数式で表して、モノを効率よく売るための研究の教科書」 てな本です。 マーケティングと密接にかかわる内容ですね。 言葉遣いが、大学の教科書みたいな感じです。知らない言葉が出てきたりします。まあ、「広く皆さんに!」みたいな本ではなく、ちゃんと勉強する人が読むように作られているので、当然です。 とはいえ、人間の行動は複雑すぎて、なかなか簡単な数式には出来なさそうでした。できても、xに2を代入したらyは1…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 多少なりとも歴史に興味があれば、 好きな人物って何人かはいますよね。 ちなみに私のトップ5は… ・西郷隆盛 ・徳川家康 ・武田信玄 ・伊達政宗 ・高杉晋作 ま、時間が経てば これも変わってくるかもしれませんが(笑) しばらく前からこの5名が好きです。 他にも土方歳三だったり、 坂本龍馬なんかも好きなのですが あえて5人選べと言われたら こんなセレクトをするでしょうか。 当ブログを書く前から この5人について書かれている本は 何冊も読んできました。 今回、ご紹介する高杉晋作について…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 6/9 号(特集記事のため書評はお休み) 今週号をもって本誌は休刊となりました(涙) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 6/11 号 2 冊誰だって芸術家 岡本太郎 SB新書 990空疎な小皇帝「石原慎太郎」という問題 斎藤貴男 岩波現代文庫 1,474 ◆女性自身「今週の本」: 6/13 号 4 冊オール・ノッ…
1.はじめに 2.内容 (1)確認するファシリテーションを始める (2)書くファシリテーションを始める (3)隠れないファシリテーションを始める (4)Prepするファシリテーションを始める 3.教訓 世界で一番やさしい会議の教科書(日経BP Next ICT選書) 作者:榊巻 亮 日経BP Amazon 1.はじめに 表紙だけ見ると、ちょっと漫画っぽい軽い感じの本かと想像します。 しかしながら、会話調で進んでいき少し笑いの要素も入るものの、中身は至って真面目な「会議をより良くする具体的な方法論」が展開されています。 冒頭、「一生涯で会議に費やす時間は3万時間」「1日10時間活動できるとして約…
初めに。 私はあまり本を得意としていない。 主に2つの理由からだろうか。 1つ目。読み始めると、最後まで読めたりすることもあるのだけれど、最後まで読まずに飽きてしまうことが多い。 特に物語だと、文庫本でも大体結果などどうでもよくなることが多い。 だったら別に読まなくても・・・。となる。 2つ目。自分に役に立つ本ばかり選ぼうとしてしまう。 とにかく私は自分の役に立つことしかやりたくない、と思ってしまう癖がある。 資格一つにしても、取った後どのように役に立つかとか考えすぎてしまう。 取りたかったら取ればいいのにね。まあ、資格はただじゃないからそこは考えてもいいところなのかもしれないけれど。 後はレ…
皆さん、こんにちは。 この記事では、私が最近読んだ、技術評論社の「バーチャルエンジニアリング Part4 日本のモノづくりに欠落している”企業戦略としてのCAE”」の紹介をします。 私は現在、メーカーでCAE解析に携わっているのですが、どうもCAEが持つ本来のポテンシャルを発揮できている様に思えず、もやもやしていました。 CAEが持つ本当のポテンシャルを知りたい、”CAEを活用する”とはどのレベルなのか確かめたいという思いで本書を手に取りました。 本書がオススメの人、読者対象 本書の中身 本書の目次 本書の全体像 気になったコンテンツ 欧州のCAE CADとCAEの関係 CAEをより活用するた…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 私は歴史が好きですし、 今までもずっと自分なりに学び続けているつもりです。 ただ… 子供の頃から日本史は好きで どの時代も興味津々なんです。 では世界史はどうかと言うと ヨーロッパにしても、北中南米にしても、 アジア、アフリカともに とても関心が高いです。 いえ、別に歴史だけではなく、 地理的にも、現代社会学としても 知りたいことがたくさんあります。 ところがですね、 なぜか中国に関してだけは苦手意識がありまして あの三国志ですら詳しくありません。 現代史や、哲学や倫理、偉人など…
旅行と言えば食べ物ですが、最近は旅先で車をレンタルして遠距離運転することが楽しくなってきました。 しかし、様々な理由から旅行に行けない人も大勢います。そうした人の代わりに旅行に出て、見てきたもの感じたことを伝える。それが、旅屋と言う職業らしいです。 タイトル:旅屋おかえり 著者:原田マハ 出典:Amazon あなたの旅、代行します! 売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった――。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く…
長旅の疲れと10年にも匹敵するような濃密な時間を過ごしたせいで 富山に着いた翌日は一日中横になっていた。 外は雨、でもこんな心境の時、雨音はとても優しく心に沁み入ってくる。 妻も昨晩からソファーの上で毛布を被ってぐったりしている。 愛する家族の顔を見られて、すぐ近くに居られる空間は 同時に、現実的にどう糊口をしのいでいくのかを突きつけられている場所でもある。 確かに帰省してたっぷりと滋養はもらった。 だけど、外面なり内面をガラッと変えてくれる何かのキッカケや転機になってくれそうな光 絶望や不安のま只中、暗闇のような日常に差し込んでくれる光が一つ消えてしまった。 夕方からは、かつて僕を救ってくれ…
食事術の本を読んでみて色々と発見が多かったので引き続き食事術の本を読んでみました。今回はアメリカで発行された本を訳されたものです。少し前の本になるのですが著者のDave AspreyはGoogleでTalksするなど仕事術系の効率化のようなことを幅広くやられています。 www.youtube.com 医者が教える食事術と比較して違うところがあるのかなど含めまとめていきたいと思います。 ohtanao.hatenablog.com シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 作者:デイヴ・アスプリー ダイヤモンド社 Amazon 📒 Summary + Notes | まとめノート 📒 Summa…
★この記事を読むと、アメリカの小説家・J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読みたくなります。 ★詳細はこちら→『ライ麦畑でつかまえて - Wikipedia』 ★詳細はこちら→『J・D・サリンジャー - Wikipedia』 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)}…
今年は、キリスト教関連の書籍をキチンと読み込もうと思っておりまして、一年の目標としておりました。気づくと既に6月。そしてこれがキリスト教関連としては今年一冊目となります。 しかし、いつも思うのですが、岩波ジュニア新書の「ジュニア」ってのはどの程度の年頃を対象としているのでしょうかね。ここの新書を読むたびに、非常に「刺さる」んですよね。以前読んだのはワクチンの話と砂糖の話でしたが、どちらも知的好奇心をいたく刺激されました。 で書いてて気づきました。そうか、知的レベルでいえば私は確かに「ジュニア」かもしれませんね笑 悲しい~。 ひとこと キリスト教を勉強してみたくなり、入門書を探しており、こちらを…
作品名 星が吸う水 作者 村田沙耶香 総合点 70点 容姿 かわいい 年齢 29歳 職業 フリーター 性格 大胆 大きさ 不明 合意 有 タイプ 和 回数 複数回 対象 彼氏 勝ちヌケル度 1 書評 ヒロインは地球と性行為をしようとするが、結局は立ちションを。 星が吸う水 (講談社文庫)作者:村田 沙耶香講談社Amazon
昨晩からの雨が残って、上がったかと思うとまた降って、午前中は落ち着いて 外仕事ができませんでした。 となると本を読んで過ごすしかないぞと、懸案となっている「黒死館殺人事件」 を手にすることです。残りは少なくなっているのに、なぜか一気に読み進むことが できずでありまして、苦戦しておりました。本当は午前から読み始めたら、夜には 読み終わるくらいのページ数であったのですが、いまだ百ページほど残っていて、 これは本日中の読了は難しいか。(次に読むものが積まれて待機中でありますので、 はやく次に移りたいのでありますが。) 黒死館殺人事件・完全犯罪 (角川文庫) 作者:小栗 虫太郎 KADOKAWA Am…
「スタンフォードが中高生に教えている事」を読んで、スタンフォード大学オンラインハイスクールがオンラインでありながら、学年を超えた学び、パーソナライズされた授業、自分が学びたいことに時間が費やせる等、未来型の教育を提供している事を知ることができました。 ですが、こうした学校は、アメリカで、かつ一部の学習能力が高い子どもや、いわゆるギフテッド*1のような秀でた子が受けられる特殊な教育だろうと思っていました。 日本にはそんな学校は存在しないだろうし、ましてや一般の学生が入れるような学校は皆無であろう。。。 そう思っていたところ、ひょんな事で、N高等学校*2の事を知りました。 N高等学校といえば「通信…
1. Clark, Andy(2022)『現れる存在 : 脳と身体と世界の再統合』池上高志, 森本元太郎訳, 早川書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC1599179X 2. Daston, Lorraine J., Galison, Peter Louis(2021)『客観性』瀬戸口明久 他訳, 名古屋大学出版会. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC09219005 3. Duchamp, Marcel, Cabanne, Pierre(1999)『デュシャンは語る』岩佐鉄男, 小林康夫訳, 筑摩書房. https://ci.nii.ac.jp…
新刊の書評を読んで、ゴリラが主人公で、そのゴリラが裁判を起こすなんて面白そうだと思い、図書館に予約して先月読んでみた。 軽い気持ちで読んでみたら、この物語は、人間の中にある、差別意識についても考えさせられる深い話だった。 カメルーンのジャングルで生まれた、ローズという名の雌ゴリラが主人公。 知能が高いローズは、母ゴリラに連れられ、ジャングル内の動物保護区にあるゴリラ研究所に通い、母親と共に手話で人間と話せるようになる。 人間の言葉を理解する賢いローズは、その後開発された、手に装着するグローブを使った音声装置で、会話も出来るようになる。 そして、アメリカの動物園で暮らすようになる。 世界的に有名…
少女 (双葉文庫) 作者:湊かなえ 双葉社 Amazon 「少女」 湊かなえ(著) 双葉社 あらすじ イヤミス好きはきっとハマるダークさ! まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です! 読書のローテーションを考えるにあたって、コメディと時代小説の間くらいに何故か一冊挟みたくなってしまうのがイヤミスだというのは私だけでしょうか? 昨日の晩御飯は和食、明日は洋食だから今日は中華にしよう!みたいな感覚です(笑) 本日はイヤミスの中でも、”イヤ”な部分が好きな方にオススメの作品になります☆ 「少女」 湊かなえ(著) 双葉社 あらすじ 高校2年生の夏休み前、由紀と敦子は、転校生の紫織から親友の…
『民衆史研究』第105号(2023年5月20日発刊)を発行したしました。 定価:1,750円(税込) ISSN:0286-7990 *購入をご希望の場合は、民衆史研究会委員会(minshu.shi@gmail.com)宛に、お名前・号数・冊数・送付先ご住所・電話番号をご連絡ください。 ーーーー 105号目次 【特集 「制限のなかの移動・移住と共生」】 ・民衆史研究会委員会 「制限の中の移動・移住と共生―特集にあたって―」 ・柿沼亮介 「古代西海道の『辺境島嶼』と『越境』する人々」 ・長森美信 「壬辰戦争における朝鮮被虜人と降倭―日本人になった朝鮮人、朝鮮人になった日本人―」 ・中山大将 「境界…
■このほどオンラインジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』Vol.5(2023)が刊行されました。●サイト公開日:5月15日。下記サイトより各記事がダウンロードできます。 https://sites.google.com/site/epistemologymindscience/home ●J-Stage搭載版は6/2公開。Downloadと引用doi付にはJ-Stageが便利です。 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/epstemindsci/-char/ja ●Vol.5の主な内容〇翻訳 A.ビネ & H.ボーニー/渡辺恒夫(訳)『心理学年報』創刊…
『紙屋研究所』ブログ主の紙屋高雪(本名・神谷貴行)氏は少し前の言葉でいうと「アルファブロガー」で、氏が共産党員であることは「はてな」ではよく知られている。弊ブログも何度か氏の記事に言及したことがある。 特に思い出深いのは、私がジョン・ケネス・ガルブレイス(1908-2006)晩年の『満足の文化』(ちくま学芸文庫2014, 原著1993)を読み、その急進的な内容に驚いてブログで取り上げようとした時に、同じガルブレイス最晩年の『悪意なき欺瞞』(2004)を取り上げた『紙屋研究所』の、まだはてなブログに移行する前の2004年、つまり同書の日本語版が出版されたばかりの頃に書かれた下記記事を丸ごと引用し…
もし会社が無かったらどうなるんだろう?もし国というものが無かったら世界はどうなのだろう?もし離婚が禁止されていたら、 歴史は面白い。有って当たり前のものが無い社会のことが分かる。無かったものが初めて出来たときの様子が分かる。何故できたのか?どうやってできたのか?どう発展していったのか?そこには人間臭いドラマがある。 歴史の授業はつまらない。人間臭いドラマを削ぎ落し、”1492年アメリカ大陸発見”などと表面的な出来事の羅列ばかりだから。 「とびきり愉快なイギリス史」は、歴史の人間臭いドラマを記している。そして、イギリスこそが今となって「有って当たり前」の多くが生まれた場所だ。経済の仕組みである資…