帰属

基本的帰属錯誤とは、他者の行動を説明する際に、その人の性格や能力などの内的な要因を過剰に重視し、状況的な要因を過小評価する傾向を言います。 例えば、テストで良い点を取った学生を「頭がいい」と評価する一方で、テストで悪い点を取った学生を「努力が足りない」と評価するといったように、同じ行動でも、その人の性格や能力に帰属すると考えてしまう傾向があります。 基本的帰属錯誤は、他者の行動を理解する際に障害となり、誤った判断をしてしまう原因となります。 基本的帰属錯誤の原因としては、以下のようなものが挙げられます。 内的な要因は、状況的な要因よりも、行動を説明する上でより一貫性があると考える傾向があること…

外的帰属とは、起こった事象について、当事者本人ではなく、自分以外の誰かや外的な状況にその原因を求めることを指します。 例えば、テストで失敗したとき、自分の勉強不足ではなく、問題が難しかったため、または、当日調子が悪かったため、と考えることがあります。これは、外的帰属の例です。 外的帰属は、自分を守るための防御機制として働くことがあります。例えば、失敗したとき、自分の努力不足を認めてしまうと、自信を失ったり、落ち込んだりする可能性があります。そのため、外的帰属を行うことで、自分の評価を下げずに、失敗を受け入れようとします。 ただし、外的帰属が行き過ぎてしまうと、問題解決の妨げになることもあります…

誤帰属（ごきぞくぞく）とは、心理学や認知科学の分野で使用される用語です。誤帰属は、人がある刺激や情報を間違って特定の原因や要因に帰属させる認知的なバイアスを指します。 人々は、自分自身や他の人の行動や出来事について、なぜそのような結果が起こったのかを理解しようとします。しかし、情報が不完全であったり、認知的な制約や先入観があるために、誤った帰結や推論を行うことがあります。 具体的な例としては、成功した出来事や良い結果については自分自身の能力や努力に帰属させる一方、失敗や悪い結果については他人のせいや環境の問題に帰属させることがあります。これは自己保護的なバイアスの一種であり、自己肯定感を維持す…

集団の帰属の誤り（group attribution error）は、個人が他の人々の行動や特性を説明する際に、集団や所属するグループの影響を過大評価する傾向を指します。つまり、個人の行動や特性を単独の要因や個人的な特性によるものではなく、所属する集団やグループの影響に帰属させがちな傾向があるということです。 集団の帰属の誤りは、社会心理学や認知バイアスの一つとして研究されています。この誤りにより、個人が他の人々の行動や特性を説明する際に、その人々が所属する集団やグループのステレオタイプや一般的な特徴に基づいて判断することがあります。個人の特性や状況的要因を見落としたり軽視したりすることがある…

錯誤帰属（Fundamental Attribution Error）は、社会心理学における概念で、他人の行動や振る舞いを説明する際に起こりやすい認知的なバイアスです。錯誤帰属は、他人の行動の原因を個人の内在的な特性や性格に過度に帰属し、環境要因や情報の影響を過小評価する傾向を指します。 一般的に、自分自身の行動を説明する際には、状況や環境要因を考慮しながら説明する傾向があります。しかし、他人の行動を説明する際には、その人の内在的な特性や性格を強く強調してしまいがちです。例えば、他人が失敗した場合にはその人の能力不足や性格の問題を原因として考える傾向があります。 錯誤帰属は、情報処理の効率性や…

セルフ・サービング・バイアス（Self-Serving Bias）は、個人が自身の成功や良い結果を内因的要因（自己の能力や努力）に帰属させ、逆に失敗や悪い結果を外因的要因（環境や他人の影響）に帰属させる傾向を指します。つまり、自分自身の良い点や成功については自己を評価し、悪い点や失敗については他者や状況を責める傾向があるということです。 セルフ・サービング・バイアスは、自己評価の維持や自尊心の保持を目的として起こります。成功や良い結果を自己の能力や努力に帰因することで、自分自身を優れた存在と捉えることができます。逆に、失敗や悪い結果を外因的要因に帰因することで、自己の責任や努力の不足を回避する…

情動の錯誤帰属（Affective Attribution Error）は、他人の行動や態度に対して、誤った情動的な原因や意図を帰属する傾向を指します。つまり、他人の行動や態度を見て、それに対して感じる情動を誤ってその人の内在的な特性や意図に帰属してしまうことです。 情動の錯誤帰属は、以下のような特徴があります: 1. 内在的な帰属: 他人の行動や態度に対して、その人の内在的な特性や性格に帰属する傾向があります。例えば、他人が失敗した場合にはその人の能力や努力不足によるものだと判断することがあります。 2. 意図の帰属: 他人の行動や態度に対して、意図や動機を帰属する傾向があります。例えば、他…