油断していい場所なんぞ、本来ありゃしない。そりゃそうだ。 老人が脳や心臓に発作を起して大事にいたる場所は、トイレと浴室が圧倒的多数とのことだ。環境気温の急変によるという。居間とトイレとのあいだに、、あるいは脱衣場と浴室とのあいだに、あまりの気温差があると、肉体機能が対応できなくなるそうだ。 かねがね教えられ、さもありなむと承知してはきたところだが、第三の危険場所として、寝室を教えられた。咄嗟に少々驚き、説明を受けてなるほどと納得した。 就寝中になん度か眼醒めて、トイレに立つ。老人性の夜間頻尿だ。くるまっていた毛布を不用意にはねのけて、急に立上ったりする。用を足したあとは、一目散にとって返し、滑…