風の贈り物 太陽が眩しいくらい、輝いていたあの日。ふわっと風が吹き抜け、汗を拭っていく。 「ちりん」と心地よい風鈴の音が、鼓膜をくすぐる。 ほんのひと時、夏の暑さも忘れ、運ばれてきた涼しさが身体の中をこだまする。 いつの間にかその音は、眩しい日差しの中へ溶けていく。 短いメロディーは、余韻を残したまま消えていく。 消えていくからこそ、その一瞬の輝きに目を向ける。 「玉響(たまゆら)」。 つかの間に宿る美しさを表した、美しい言葉です。 時を越えて響く音 照りつける日差しに、額には汗がにじむ。 一歩、また一歩。 暑さに身体が重くなり、思わず足を止めそうになった、そのとき―― スーッと風が吹き抜けた…