土用の丑の日だという。わが方には、頂戴物の蒲焼という、伝家の宝刀がある。 暑気に負けてグッタリしているとはいえ、眼が回って立っていられぬというほどではない。寝床から起きあがるのが大儀だというほどでもない。頻繁に鼻をかみ、痰が絡みはするが、動作をゆっくりにさえすれば、腰も背中もあまり痛まない。直立していられる。姿勢を正した、気をつけっ、の姿勢ですらいられる。今日は膏薬を貼らずに過してみようかという気にさえなった。 ということは、熱中症を発して担ぎ込まれる老人がたに較べたら、自分は相当恵まれた状態にあるのではないか。冷房を使わぬ状態で暮して、このていどの気分を不快なんぞ云っては、バチが当るのではな…