ローマへ観光旅行に行った時の写真を整理しながら思い出したことを書く。シュタイナーが言った言葉、「ローマに行きたければ、私たちが赴かねばなりません。ローマは来てくれないのですから」という、ちょっと不思議な発言だ。どういう真意があるのか、長年わからなかった。確かにローマはここにきてはくれない。でもなぜ、そんなことを言うのだろうと。「ローマ」を地理的な場所ではなく、「高次の世界」「真理の源泉」と読み替えれば、“それらを得るには、自らの積極的な思考・意志・努力によって初めて到達できる。外から与えられるものではない。”という解釈ができる。シュタイナーがこの発言をした当時の、宗教的・神秘主義的風潮に対する…